10月27日
オフ。三宅先生のところに行って、朝一でもみほぐしていただき、股関節の正しい使い方について若先生から講習を受ける。
こ、これは、目ウロコ。
家に戻って、『エピス』の映画評を書く。
1000字の原稿なので、さらさらと1時間で書き上がる。
「あのー、私どもが期待しているのは、こーゆー感じのもんじゃなかったんですけど…」というような泣きが越後屋さんから入る可能性の高そうな原稿である。
だが、私に寄稿を頼んだ時点で、すでに彼は「人を見る目がない」という最初の「ボタンの掛け違え」を犯してしまったのである。そうである以上、このあとどのような部分的修正を加えようと、本質的過誤はもはや訂正不能なのである。
気の毒だが、これも「人生勉強」ということで、越後屋くんのさらなる人間的成長に期するのである。
次は『インターネット持仏堂』の校正。
本文は終わったが、注を書く気力が出ないので、そのままそっと本棚の奥の方にしまいこむ。
私が締め切りを忘れても藤本さんは忘れないから大丈夫なのである。
引き続き『ポーラン/ブランショ』本の校正。
編集の清藤さんが超レア本、ジョゼ・コルティ版『文学はいかにして可能か?』のコピーを送ってくれたので、早速テクスト・クリティックにとりかかる。
88年に論文を書いた頃には、コルティ版なんか見る機会がなかった(なにしろ1941年に限定350部発行の薄っぺらな同人誌みたいな本なのである)。
そのコルティ版とガリマール版を一字一字付き合わせて異同をチェックする。
さいわい『文学はいかにして可能か?』はコルティ版で19頁しかない短いテクストなので、照合はすぐに終わる。
驚いたことに、コルティ版からガリマール版への転載に際して、かなりの削除修正がなされていた。
削除されているのは要するに「くどい」箇所である。
「くどい」というのは「話がくどい」ということでもあるし、「そこまで書くと、底が割れる」ということでもある。
ブランショの『文学はいかにして可能か?』はナチス占領下のパリで出版された、ジャン・ポーランの文学論『タルブの花』の「解説書」である。
当然、そこでは文学が論じられているはずであるが、私はそうではあるまいと睨んだのである。
私の主張は、『文学はいかにして可能か?』は文学論を擬装してはいるが、実は『コンバ』時代のブランショの仲間の二種類のテロリストたち(『コンバ』分裂後にヴィシーに身を寄せたティエリ・モーニェ一派と、パリで対独協力をしたロベール・ブラジャック一派)のあいだの内輪もめの理路を文学的対立にこと寄せて総括したもので、最終的にはその両派に対して、「キミたちのやりかたじゃダメなの。革命っていうのはね、頭使わなきゃダメなの、頭」というイヤミな説教をかました政治パンフである、というものなのであった(論点がはっきりしない論文だな)。
書いた当時はわれながら「すごい推理」と感心していたのであったが、今回コルティ版の削除箇所を読んでみたら、「これは『コンバ』時代の仲間割れについて書いたものです」とちゃんと書いてあったので、脱力。
端からネタばれしてたのなら、私が気負い込んで論文書く必要なんかなかったのである。
とほほ。
しかし、この私の論文に「『コンバ』の内輪もめの話だって?(笑)ウチダくん、荒唐無稽の妄説を語るのはやめたまえ」と説教してくれた同業者も発表当時はいたのである。
その方たちにはぜひ猛省を促したいものである。
ブランショ本人が「あれは『コンバ』の内輪もめの話です」って書いているんだからさ。
がっくりしているところに「S伝会議」というところからお仕事の打ち合わせにO越さんという青年が登場する。
ここでやっている「ライター養成講座」で「書くことの心得」というようなテーマについて講演をしてほしいというお話である。
講師陣紹介パンフを拡げてみたら、江さんの顔があった。
江さんは講座の人気講師だそうである。さもあらん。
江さんと一緒のところなら…ということでお引き受けする。
し、しまった。
また仕事を増やしてしまった。
投稿者 uchida : 2004年10月27日 18:17
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このリストは、次のエントリーを参照しています: 『文学はいかにして可能か?』といわれてもねえ・・・:
» 10月27日仕事ができる人に仕事は集中する from 四万十学校改善研究会
不思議なことにどの職種でも、仕事のできる人に仕事は集中する。内田先生がその典型である。当たり前と言えば当たり前。
だって、仕事ができる人に仕事を頼めば、早くできるし、出... [続きを読む]
トラックバック時刻: 2004年10月28日 00:11
» 10月30日イワモトさまお世話になりました from 四万十授業づくり研究会
コメント欄で懐かしい(大げさかな)イワモトさまのお名前を見つけました。
イワモトさま、内田先生がフランスに滞在中、大変お世話になりました。
イワモトさまに付けて... [続きを読む]
トラックバック時刻: 2004年10月30日 16:04
おそるおそる、コメントしてみるテスト。
やっほー、イワモトです。
投稿者 イワモト
: 2004年10月28日 23:12
ありがとー、イワモトさん。
先生ご自身がコメントできなかったらどうしよう、と危惧する
フジイでした。
(その節はどうぞよろしく)
投稿者 reif
: 2004年10月29日 21:58
あ、それ私も不安だったんですよ。
主がコメントできないブログってなかなか無いので
それはそれで面白いのですが…。
以下、取扱説明書勝手に作ってみました(長文)。
フジイさん、手直しあればお願いします。
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0.コメント方法変更のお知らせ
このブログのバージョン変更に伴い、皆さんにコメントを付けて
頂く方法を変更しました。
これまでと違う表示がでてくるので戸惑ってしまった方、ごめんなさい。
今後は「Typekey」http://www.typekey.jp/
というサービスを利用してコメントを付けることになります。
最初にこの「Typekey」に登録して頂く必要がありますが
その後は登録した際のID、パスワードさえ忘れなければ
これまでのコメントの使い勝手とはほとんど変わりがありません。
1.なんでコメント方法を変更するの?
変更した理由は以下の2点です。
①広告コメントを排除したいから
以前このブログで海外からの広告コメントが数百個ついた事があり
皆さんに不便・不快な思いをさせてしまったことがありました。
今後そのようなことが発生しないよう、
「誰がコメントしたのか」がはっきりとわかる仕組み
=「Typekey」を導入し、より確実に広告コメントを
排除していきます。
②新しいサービスって面白そう!だから
フジイさんも私も新しいものに触ってみるのが
大好きなんです。半分趣味かもしれませんが。
…では、実際に「Typekey」に登録してみましょう。
2.Typekeyを登録(sign up)する
まず、「Typekey」というサービスに登録します(無料)。
以下のアドレスで必要事項を記入し、sign upしてください。
<注!メールアドレス必須!>
https://www.typekey.com/t/typekey/register?lang=ja&v=&need_email=&_return=&
今の状態ではまだ仮登録です。仮登録後Typekeyから届いたメールのリンクをクリックして
初めて本登録されたことになります。
…さあ、これでコメント投稿の準備が整いました。
3.サイン・インする
日記にコメント投稿したくなったら、日記最下部(※1)の
「サイン・インしていません。このサイトにコメントをする前に
登録してください。」という文章右横の「サイン・イン」の文字を
クリックして「Typekey」にログインします。
(※1:トップページの日記にコメントする場合は各日記下部の「コメント」を
クリックして、新しいページに移ってから同じ動作に入ります)
ログインが成功すると、自動的に日記のページに戻り、ページ最下部に
「サイン・インを確認しました、○○. さん。コメントしてください。」
という文字が表示され、コメントが投稿可能になります。
…あとは「確認」ボタンを押して「投稿」するだけです。
投稿者 イワモト
: 2004年10月30日 00:26
コメントしてみます。おそるおそる。
投稿者 uchida
: 2004年10月30日 09:51
あ、あれ。
イワモトになってるよ。投稿者名が。
私はウチダなんですけど・・・
どうなっているんだろう。
まあ、あと5分ほどでイワモトくんがここに来るんだから、本人に聴けば善いのだ。
上のコメントを書いたのはウチダです。
イワモトくんが「メメント」状態になったわけではありませんから、ご心配なく。
投稿者 uchida
: 2004年10月30日 09:53
げ、こんどはuchidaにもどってる。
わーん、このメカニズム、ウチダにはむずかしくてわかんないですう。
投稿者 uchida
: 2004年10月30日 09:54
サイン・インを確認しました、 さん。コメントしてください。 (サイン・アウト)
(いままで、ここでコメントしたとがないときは、コメントを表示する前にこのウェブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)