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2014年02月 アーカイブ

2014.02.05

ル・モンドの記事から

2月4日、フランスの『ル・モンド』がNHKの百田経営委員の「南京虐殺はなかった」という発言について、それがどのような政治的文脈の中のものであるかについて解説記事を載せた。
欧米の安倍政権に対する警戒心と嫌悪感はかなり高まっていることが記事から知れると思うので、ここに翻訳しておくことにする。

「憎悪を保つ技術について」
日本の公共放送NHKの経営上層部にある人物が1937年に南京で帝国軍隊によって遂行された虐殺を全面的に否定した。 「列国は南京において日本が犯したとされる虐殺についての国民党指導者蒋介石のプロパガンダに何の注意も払わなかった。なぜだと思いますか?そんなものは存在しなかったからです」百田尚樹は東京での政治集会でそう言い放った。
火曜日に複数のメディアが伝えてところによれば、百田氏は東京都知事ポストをめざす極右候補者を応援している。この候補者は元航空幕僚長の田母神俊雄、2008年にさきの大戦において日本は侵略行為をしていないと述べたために更迭された人物である。
「百田氏のこの発言については知っているが、これはNHKの内規には違反していない。政府はこれについて意見を述べる立場にない」とだけしか菅官房長官はコメントしなかった。
中国は1937年12月13日の日本軍南京入市以後の6週間で、日本軍による殺戮、暴行、破壊による死者の総数は30万人に達するとしている。海外の学者たちによる調査では、この数字はこれよりはかなり低く見られている。アメリカの歴史家ジョナサン・スペンスは死者、民間人の死者は42000人、暴行された女性が20000人、その多くがその後死んだものとしている。
NHKが話題になるのはこの数日間で二度目のことである。1月26日にNHKの新会長籾井勝人が軍による強制的な売春について「どこの国でも戦時中は行われていたことだ」と発言した。NHKの就業規則は国営放送の経営委員会の12人のメンバーに「均衡の取れた、政治的に中立的な内容を保障することによって民主制を守る」ことを課している。
帝国軍隊の役割を最少化しようとするこの意思について、政府は踏み込んだコメントを避け、これは籾井氏の個人的見解であると言うに止まっている。籾井氏は安倍晋三首相のお気に入りの一人である。南京虐殺と性的奴隷は年来日本と中国、韓国の間の懸案の論争点となっている。
昨年の8月15日、日本の降伏の記念日に、きわめて民族主義的な安倍晋三首相は約二年間にわたって続けられてきた伝統を覆して、日本がアジアにもたらした苦難についての悔悟の言葉を口にしなかった。これは天皇明仁の臨席の場でのことであった。
安倍首相は大戦中の商工大臣、戦後アメリカによって収監されたが裁判をまぬかれた人物の孫であり、去年の12月に政権の座について1周年を期して東京の靖国神社を参拝した。この神社は250万人の日本人戦死者が祀られており、戦争犯罪人14人もそこに含まれている。

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