2025年8月


Archives

学問は誰のものか:評価のための論文から、贈与としての言葉へ

朴東燮先生が先日韓国のメディアからインタビューを受けた。その時に「韓国の学界では内田樹思想に関する論文はどのくらい出てい...


「内田樹論第三部」のためのまえがき

朴東燮先生の「内田樹論第三部」は順調に筆が進んでいるらしい。韓国語と日本語を平行して書かれているとのことで、「まえがき」...


アメリカ抜きの日本の安全保障について

『通販生活』の「トランプ特集」にこんな文章を寄稿した。書いたことを忘れていたら、原稿料の振り込み通知があったので思い出し...


9条2項の現実性について

TRANSITという媒体で戦後80年を振り返るという総括的なインタビューを受けた。その中の「憲法について」の部分だけ摘出...


純粋はきれいだが、純粋主義は汚い

朴東燮先生が『日本辺境論』を書架から取り出して読みだしたらとまらなくなって、読み終えてすぐにエッセイを1篇書いてくれた。...


後手に回る

 中高生を相手に講演する機会が時々ある。生徒たちの質疑応答は「人生相談」的なものだが、ほとんどは「Aという選択肢とBとい...


『コモンの再生』韓国語訳訳者あとがき ― 孤立した庭から始まる、コモンの再生

『コモンの再生』の韓国語訳が出て、訳者の朴東燮先生が「あとがき」を書いてくれた。朴先生、いつもありがとうございます。  ...


師と歩んできた14年

 朴東燮(パク・ドンソップ)先生は私の本の韓国語翻訳者・通訳者であり、紹介者・解説者であり、私のただ一人の「学術的な(自...


生命主義と「悪」

―― 現在の政治的混乱はどう見ていますか。 内田 世界中で権威主義が強まり、まともな民主主義体制を維持できている国は減少...


敗けてよかった

 敗戦から80年経った。戦争の生々しい記憶が年ごとに摩滅し、より観念的なものに置き換えられている。「観念的」と言うよりむ...


額縁とコミュニケーション

 養老孟司先生と久しぶりにお会いして懇談した。先生は今年米寿を迎えられたが、今もお元気に虫取りに出かけている。お話も相変...


共感と痩せ我慢

 政治家の品格が落ちた。  昔はとりあえず公人は外形的には「一般人よりも知性的で、良識を的な人」のふりをしていた。中身は...


外国人排斥を乗り越える

 最近よくこう訊かれる。「外国人が増えて、土地を買い占めたり、社会保障制度に『フリーライド』していると言われています。そ...


報道の自由について

 一年ほど前から「縁側ラジオ」というポッドキャスト番組を配信している。お相手はMBSアナウンサーの西靖さん。前回は参院選...


呼吸法について

『月刊秘伝』が呼吸法の特集を組んだ。合気道の呼吸法というお題を頂いたので、凱風館ではどんな呼吸法の稽古をしているのかを書...


『そのうちなんとかなるだろう』新書版まえがき

 みなさん、こんにちは。内田樹です。  本書は2019年にマガジンハウスから単行本で出た僕の「履歴書」の新書化です。 「...


勝ちに居着く

 今の日本は息苦しい。社会に流動性が欠けているからだと思う。階層下位の人間の前にはキャリアパスが開けず、支配層は権力と財...


敗戦から80年

 敗戦後80年が経った。敗戦の記憶が遠ざかるにつれて、敗戦が日本人にもたらした生々しい知見が失われつつある。それは何だろ...


悪に惹かれる

 先の参議院選挙結果についていくつかの媒体から取材された。それほど人と違うことを言えるわけではない。ただ、排外主義的で好...


歴史修正主義と世界帝国

 今、イタリアのホテルでこの原稿を書いている。窓からはラスペツィアの港が見える。ここはイタリア半島を長靴と見立てると靴紐...


外国人が多いと言うけれど

 最近、どこに行っても外国人が増えています。  僕は定期的に箱根に友人たちと湯治に行くのですが、コロナ禍で「閑古鳥が鳴い...


イタリアで思ったこと

 今イタリアに来ている。ヨーロッパに来るのはコロナ前の2018年以来である。  いろいろ変わったが、一番変わったのは円が...


イーロン・マスクの野望

 すこし前までトランプ政権の「政府効率化省」を率いて連邦政府機関を解体しようとしたイーロン・マスクが今度は第三党「アメリ...