アースダイバーからソールチャペル経由ムラカミワールド

2010-04-18 dimanche

金曜日。授業と会議が三つ。教授会が終わってから、雨の中を天満橋へ。追手門学院大学大阪城スクエアにて、ナカノシマ大学のセッション。
中沢新一・釈徹宗の「大阪アースダイバー」
「アースダイビング」という発想はほんとうにすばらしいと思う。
繊細な身体感受性が必要な仕事だけれど、それ以上にスケール大きな(空間的にも時間的にも)想像力が要求される。
survey でも study でも analysis でもなく、diving であるという語の選択に「中沢新一的なもの」がはっきり出ていると思う。
とりあえず「中に飛び込む」のである。
ぼくもどちらかというと経験主義的な人間ではあるけれど、多田先生の教えを守って「用事がないところには出かけない」で、家でじっといるので、中沢さんのような流動的知性にはあこがれてしまう。
釈先生の受け答えが絶妙で、このおふたりのやりとりはほとんど「芸」の域に達していた。またやってね。
「大阪アースダイバー」はこの秋から『週刊現代』で連載されるそうです。
最後にフロアから平松邦夫大阪市長とぼくが呼び出されて、10分ほどおしゃべりに加わる。
終わってから、市長もご一緒に、ナカノシマ大学のスタッフのみなさん(140Bの江さん、中島さん、青山さん、オーサコくんお疲れさま)はじめ、お手伝いに来てくれた青木くん、黒田さん、さきちゃん、小山さんたちと打ち上げへ。
ここでも平松市長と江さんがヒートアップして11時まで。
みなさん、お疲れさまでした。

土曜日。
クーさんの結婚式。
挙式はソールチャペル。
前夜大雨だったので、心配していたのだが、からりと晴れ上がり、中庭には初夏の高原のような爽やかな風が吹いている。
披露宴は芦屋のメゾン・ド・ジル。
こじんまりした静かなレストランである。
挙式も披露宴も、合気道関係者が全体の半分くらいという偏った編成だったけれど、われわれは名越先生の言われる「疑似家族」のようなものだから、まあ数が増えちゃうのは致し方ない。
スピーチでは、「ありもので間に合わせる」ことと「いつも上機嫌で」という武道家の常在戦場の心得をあらためて新婦にお伝えする。
「余興」はおいちゃん演出脚本、やべっち、えぐっち、すみっち、せとっち&かなぴょんでシングルベル仕込みの寸劇をご披露いただき、満場爆笑。
どうぞお幸せに。
昼酒で少しぼおっとしたので、家に戻ってパジャマに着替えてそのままお昼寝。日が落ちたころに目覚める。
みんなは二次会たけなわのころである。
私はひとりでパジャマ姿で味噌ラーメンを啜る。
そのまま炬燵に潜り込んで、ワイン片手に『1Q84』の「復習」。
朝方 Book3 が届いたのだけれど、それまでの内容を忘れているので、もう一度最初から読みなおしているのである。
細部はもとより、筋もほとんど忘れていた。
それで「本を読んだ」と言えるのであろうか(言えない)。
おそらくお酒をごくごく飲みながら読んだせいであろう。
映画もそうだけど、見ているときは楽しいのだけれど、あとで思い出そうとしても何も覚えていない。
でも、その代わり、もう一度見ても読んでもわくわくどきどきできる。
人生、悪いことばかりではないね。
というわけで、『1Q84』を二度楽しんでいます。
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