オーバーブッキングな日々

2009-12-02 mercredi

洗面所で顔を洗っていたら、後ろを通りかかったクロダくんに「先生、今日、私の結婚式なんですけど、覚えてますか」と言われた。
言われてみれば、そんな招待状を貰って「出席」にマルをして返送した記憶がある。
「え、今日だっけ?」
と驚くと、片方の眉を吊り上げて、「忘れてたんじゃないでしょうね」と詰め寄られた。
いや、覚えていたよと嘘をついてから場所を訊いた。
「広州ですよ」
げ。
飛行機の予約をしていないし、ホテルも取っていない。
「式は何時から?」
「11時半からです」
壁の時計を見たら9時半である。
どう考えても2時間でここから中国まで行けるはずがない。
困った。
そのわりにどうしてここで花嫁がジャージ着て歯を磨いているのか。
キミこそ間に合うのか。
不条理だと思ったところで目が覚めた。
この夢はいったいどのような潜在内容を含んでいるのであろうか。
夢においては反転、凝縮、入れ替えなどさまざまな操作がなされる。
この夢が表しているのは、ひとつは「クロダの修論は締め切り日までに私のもとに提出されるか」という私自身の指導教官としての不安である。
その不安が「私はクロダの設定したデッドラインに間に合うのか」という物語にくるりと反転したわけである。
もうひとつは私の現在のオーバーブッキング状態についての不安といずれそれがもたらすであろうカタストロフの「予知夢」としての意味である。
今日はこれから倉吉に行く。
鳥取の西の方である。
そこで講演。
明日は新横浜日帰りで取材3件と対談1件。
明後日は終日授業と会議で、そのあと会食。
土曜日は治療と稽古と例会。
日曜日は対談と忘年会。
来週は水曜が東京で中沢さんとのセッション最終回。翌日が取材と矢内さんのサントリー学芸賞の受賞祝賀パーティ。日曜は東京で多田塾研修会、そのあと紀伊国屋で講演。
生きて冬休みを迎えることができるであろうか。
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