仮歯が入った

2009-08-13 jeudi

仮歯が入ったので、三日ぶりに「奥歯を噛み締める」という行為ができるようになった。
やれやれ。
口の中に入れ歯をビスで固定してある。
手術に3時間余。
ダイハードな機具を口中に装着していると、007シリーズでがりがりとロジャー・ムーアに噛みついていたリチャード・キールの気分が何となくわかるような気がする。
さぞや気分が悪かったことであろう。
今日の夕食から固形物が食べられる(今朝までは流動食だけだったのだ)。
でも、歯茎の部分をぐるりとプラスチックで覆ってあるので、当然ながらものの味がしない。
美食の多くは歯茎や歯で触感を味わうところに妙味があり、ただ歯は噛んで切り取ってすりつぶすだけでは能がない。
歯茎が露出するまであと1年ほど待たなければならない。
仮歯が入ったが、まだうまくしゃべれない。
滑舌には、歯の咬合と舌と歯の位置が大きくかかわってくるのであるが、仮歯を入れたので、舌の下顎の歯列の位置関係が変わってしまった。
さすがに「ラリハイ状態」ではないが、それでも舌の位置を間違えてしゃべると、口から唾が噴き出して、鼻先を濡らす。
自分の声のようではないので、戸惑ってしまう。
麻酔が切れてきたらしく先ほどから下顎全体にずっと鈍い痛みがある。
できれば何もしゃべらず、家でじっと寝ていたい。
だが、14日も15日も16日も17日も毎日外に出て人と会って用事をせねばならない。
世間はお盆休みのはずだが・・・
広島の講演が最後の 17 日なのだが、せっかくご招待頂いたのに、舌の回らぬ話で醜態をさらすことになってまことに申し訳ない。
18 日から3日間だけ休みで、そのあとはまた用事が続く。
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