四月になって授業が始まる。
授業が始まると、生活がレギュラーになって、ようやく心身が休まる。
話が反対のようだが、授業のある日は他の用事を入れられないので、出講日の方が休みの日より暇なのである。
とはいえ今週末からキャリアデザインプログラムのインターンシップとて東京に学生さんたちを連れてゆかなければならない。
引き受け先は国立劇場である。
どうして神戸女学院大学のアートマネジメント副専攻の学生たちのインターンシップを国立劇場でできるかというと、ここに私の「店子」(スパイ用語では「アセット」と言い、忍者用語では「草」と言う)であるところのヤナイ氏が勤務されているからなのである。
ヤナイ氏についてはこの記事の左横に新刊書が紹介してあるので、そちらを徴せられたい。
店子のみなさんには無料でブログの一隅をお貸ししているわけであるが、こういうふうに何年かに一度巨額の利子付きで「店賃回収」されてひどい目に遭うこともあるから、気楽に店子になるのも考え物である。
今回はおまけに橋本治さんの薩摩琵琶の会があって、そこに学生ともどもご招待いただいた。
橋本さんともお会いできる。
そう言ったら「わーい、『桃尻娘』にサインしてもらおう」という奇特なことを言う学生がいた。
きょうびの女子学生にも『桃尻娘』をちゃんと読んでいるものがいるのである。侮れないねえ。
インターンシップのあと早稲田でナントカ学会で講演をして、翌日は講談社で町山智浩さんとアメリカと日本をめぐる対談をして、その翌日はお茶の水でめぐみ会東京支部で講演をして、それから代官山で高橋源一郎さんと『Sight』のための対談をするというダイハードなツァーである。
三日間で橋本治・町山智浩・高橋源一郎のお三方と会うのである。
たいへんだ。
養老先生から「ウチダさんは頭が丈夫な人だから」と以前太鼓判を捺されたけれど、この三連打では、さすがの持ち前の丈夫な頭もちぎれるかもしれない。
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(2009-04-17 10:05)