音楽学部舞踊専攻の第二回公演に行く。
「RUN」「Rêvez en décembre」「Here we are!」という島崎徹構成・振付・演出の「ぜんぶシマザキ」世界の三部構成。
「Here we are!」は今年の二月のミリアム館での第一回公演のときに観客を驚嘆させたプログラムである。
また「あれ」が見られるのか・・・と、ちょっとどきどき。
西宮芸術文化センターに行くのは、これがはじめて(19日にはここの小ホールに私も出演することになっている)。
入り口近くウッキー、ヒロスエ、エグッチに会う。中に入ると合気道部の諸君がぞろぞろやってくる。
みんながこれを見たいというので今日のクラブを休みにしたのである。
サキちゃんたち合気道部員の何人かは村越先生のクラスで今コンテンポラリー・ダンスを習っている。
合気道部は「裏・演劇部」として久しく学内の演劇活動をアンダーグラウンドで担ってきたのであるが、これからは加えて「裏・ダンス部」ということになるのかもしれない。
最前列に並んでわくわく待っていたら、アート・マネジメントの学生たちがぞろぞろやってくる。
アートの学生が二名出演しているというので応援に駆けつけたそうである。
副専攻のコースの学生たちがこういうふうに仲良くなるのはたいへんに結構なことである。
これも山本画伯の教化よろしきを得た成果であろう。
この子たちは今学期が山本浩二画伯、来年は小林昌廣先生とかんちきくんに指導される。
果たして彼女たちが一年半後にどのような人間的成長を遂げられているのか、楽しみなことである。
私が担当しているメディア・コミュニケーションの16人は第一学期が私、第二学期が江弘毅さん、第三学期には関川夏央さんが指導を担当する。
これまた一年半後にどのように仕上がってしまうのか、想像を絶するのである。
そうこうしているうちに幕が開く。
あっというまに2時間の公演が終わる。
ほてった頭をクールダウンするためにウッキーとヒロスエをつれてビールを飲みに行く。
とりあえず「舞踊専攻と島崎先生に乾杯!」とグラスを乾す。
こういうものを見た後、人間は多弁になる。
どこがどういうふうに「よい」のかについて、それぞれ思うところを語る。
彼女たちはまるで明日から法律で踊ることが禁じられた国の最後の夜の最後の舞台にいるかのように踊っている。
踊ることがもたらすすべての快楽を今この場で味わい尽くさずば止まずという意気込みで踊っている。
これはすごいことである。
技術的に高いことをさせることは可能である。
豊かな感情表現のしかたを教えることも可能である。
けれども、今自分がこの舞台で、この動きをしていることは生まれる前から決まっていた宿命であると確信して踊るというようなマインドは外側から教え込むことができない。
それは教えている当の先生が、今教えていることを自分自身の宿命であると確信していなければ、決して教わる人間には内面化されない。
島崎先生の偉大性は先生が驚嘆すべき技術と感覚を持っているということによってではなく、そのリソースを他ならぬ今ここでこの子たちに注ぎ込むことが自分の宿命であると深く確信していることに存するのである。
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(2007-12-07 13:58)