風邪ひいた

2006-10-15 dimanche

金曜の朝起きたら喉が痛い。
げ、風邪だ。
授業が一つに会議が三つあるので休むわけにゆかない。
げほげほと咳き込みながら大学へ。
げほげほとゼミをやってから私が議長をやる会議をひとつ終えて、大学の新施設についての委員会に出かける。
具合が悪いので、抑制がきかずにたいへんにストレートなものの言い方をしてしまう。
どうも具合が悪いと他人を不機嫌にすることに対する自制が効かなくなる。
ぐったり疲れて、これ以上他人を不快にしてはならぬので、教授会を逃げだして、家に戻る。
帰りに薬局に寄って「ルル」と「瑞糸」(しいたけ味のドリンク。まじ〜)を購入、ただちに服用後、パジャマに着替えて爆睡。
夜中にパジャマを三回着替える。
土曜の朝、12時間ほど寝たおかげで熱は少し下がっているが、喉の痛みと鼻水は止まらない。
朝から面接試験があるのでこれも休むわけにゆかない。
よろよろと大学へ行き、夕方までAO入試の志願者の面接をする。
AO (Admission Office) 方式というのは、一発入試ではなく、志願者と密なコンタクトを取り、能力適性を見きわめて、採否を決めるという、多少時間はかかるがミスマッチの少ない試験方式である。
秋季入試のいちばん最初のこのAOに志願してくる志願者は「ぜひとも神戸女学院大学に入りたい」と強く念じてくるわけなので、入学後の大学への適応のモチベーションが高いことが統計的に知られている。
今年はなかなか質の高い受験生ばかりで、その点はたいへんうれしいのであるが、採否を決するのがむずかしい。
面接試験をしているうちにだんだん熱が出てきて、頭がぼおっとしてくる。
試験を終えて、ばたばたと家に戻って、ルルを飲んで、パジャマに着替えて、再び爆睡。
6時に起き出して、下川先生のお宅に行く。
今日はお稽古ではなく(ほんとうはお稽古もあったのだが、とても稽古できる体調ではない)、ドクター佐藤と飯田先生の結婚を祝う下川先生ご夫妻主催の晩餐に私も呼ばれていたのである。
ご飯を食べてワインを飲んで、下川先生のお話を聴くだけなら、多少頭がくらくらしていても大丈夫である。
奥様手作りの美味しいご飯をぱくぱく食べてシャンペンワインなどを飲んでいるうちに、だんだんいい調子になってくる。
けらけら笑っているうちにあっというまに時間が経って、10時過ぎになる。
家に戻ってまたルルを飲んで寝る。
パジャマがどんどん洗濯かごに溜まってゆく。
敷き布団も毛布も汗で湿っているが、換えるのが面倒なので、そのまま潜り込んで寝てしまう。
日曜日はオフなので、昼過ぎまで寝ている。
喉の痛みがとれて、残る症状は鼻水だけとなる。
週明けまでに校正を二つ仕上げなければならない(らしい)が、起き出して仕事をする意欲がわかない。
とりあえず蒲団を干して、たまった洗濯物をじゃんじゃん洗って干してゆく。
寝ころんで『のだめカンタービレ』を1巻から15巻まで読む。
風邪を引いているときはマンガしか読めない。
それにしてもどうして鼻水というのはこれほど無尽蔵に出てくるのであろう。
だいたい、鼻水というのは何なのであろう。
なんとなく白血球の屍骸のような気もするが、これほど白血球が死んでしまって、私の身体の免疫体制が無事とも思えない。
あらゆる病症はそのせいで「何かができない」というしかたで治療として機能している。
骨が折れると痛いので、その部分は動かせない。だからはやく骨が接合する。
骨が折れても痛くないと、いつまでも骨がくっつかないから、そのうち身体がばらばらになってしまう。
風邪をひくのも、要するに「働き過ぎだから、すこし寝て休め」という身体からのメッセージである。
それはよろしい。
だが、わからないのは鼻水である。
鼻水が出ることで私は何を得るのか?
--------