働くオフ日

2006-10-11 mercredi

久しぶりのオフなので、朝からばりばりと原稿を書く。
まず共同通信の「常識的!」1240字。
ネタは昨日の大学院で話したけれど、『七人の侍』における「平八」(千秋実)的人物の組織内的意義について。
さらさらと書き上げてから、講談社の教育論・ニート論の続きに取りかかる。
すでにフランスで書き上げているので、二度目の補筆である。どこかで止めないと終わらないのだが、たいせつな本なのでもう一回。
S経新聞社から電話がかかってきて、「村上春樹がノーベル賞をもらったときの記事」を依頼される。
まだ、受賞結果は出てないんでしょう?と聞き返したら、発表が明日の午後8時なので、結果を聞いてから原稿を書いたのでは翌日の朝刊に間に合わないそうなので、事前に「予定原稿」として書いて欲しいということである。
「村上春樹さんがノーベル文学賞をもらった。『風の歌を聴け』以来の長年の読者としてまことにうれしく思う」から始まるヴァーチャル祝辞を書く。
ついでに蓮實重彦と松浦寿輝の村上文学批判にも文句をつけておく。
村上春樹をさんざん批判してきたのであるから、彼らとしてもここはきっぱりと「ノーベル文学賞の選考委員会はバカ揃いだ」というコメントを書いてもらわないとことの筋目が通るまい。
さらさら。

昼に昨夜仕込んだおでんを食べる。
味がしみてて美味しい。
続いて日刊Gから「場の空気が読めない男たち」はどうして発生したのかというディープな質問が電話で来る。
あのね、それは幼児期の母子関係に遡るんですよ・・・と話すこと1時間。
K通信から連載エッセイをもう1年間延長というオッファーが来る。
地方紙の読者に読んでもらう数少ない機会であるので、来年も引き続き態度の悪い原稿を寄稿することにする。
不思議なところから不思議な仕事のオッファーがある。
申し訳ないけれど、お断りする。
しかし、よく考えてみたら、こういうオッファーがある可能性は吟味しておくべきだった。
意表を衝かれてびっくりするというのは武道家としてはあってはならぬことである。
でも、ちょっとびっくり。
このあと夕方から梅田に出て、越後屋さんとクリント・イーストウッドの『硫黄島二部作』の第一部「父親たちの星条旗」の試写会。
ほんとによく働くよな。
--------