土蜘蛛と山姥(あれ、オレの役、化け物ばかりじゃんか)

2006-10-02 lundi

下川正謡会の秋の素謡と仕舞の会が無事終了。
今回はドクター佐藤とのコンビで仕舞が『土蜘蛛』、素謡が『山姥』。
『土蜘蛛』はドクターとばっちり稽古をしてきたので、型の部分は心配ないのだが、蜘蛛の巣がちゃんと飛ぶかどうか心配だった。
稽古舞台よりも本番舞台の方が二人とも動きが大きかったせいか、稽古のときのようにドクター全身巣まみれというコミカルな展開にはならず、肩の辺りに「はらり」と蜘蛛の巣がかかる程度で終わってしまった。
とりあえず四つ蜘蛛の巣がちゃんと開いたので、ほっとした。
『山姥』は仕舞が終わってほっとして、わりあいリラックスしてできた。
地謡が真後ろでがんがんくるので、ついつられて後半は声を張ってしまって、あとで下川先生に叱られた。
今回は素謡と仕舞だけの地味な会なので、あまり宣伝もしていない。
大学でもゼミの3年生にしか連絡しなかった(4年生は卒論に集中するようにとのハカライである)。
雨の中遠いところを来てくださったみなさん、どうもありがとう。
楽屋見舞いも多くのみなさんからいただきました。
お礼を申し上げます。
来年の大会は6月3日(日)。
こんどは舞囃子も能も出る賑やかな会である。
私は『天鼓』か『菊慈童』の舞囃子で舞台を踏ませていただく予定である。
みなさんもダイヤリーにチェックしておいて下さいね。
場所はいつもの湊川神社神能殿。

大会が終わって、打ち上げでビールを飲んで、ぱくぱくと中華を食べる。
ほっとする。
学会発表でも講演でも演武会でも、終わって「ほっとする」ということは別にない。
ほっとするのはこの会だけである。
この会だけは失敗すると下川先生にしこたま叱られるからである。
この年になって、叱られることをおそれてびくびくしているのは、お能のイベントだけである。
私のような態度の悪い人間には、ひとつくらい「叱られるのがこわくてびくびくする場所」があった方が人格陶冶上よろしいのではないかと思う。
だから、会の終わった夜は 1 年でいちばんほっとして、穏やかな気分でいられる。
家に戻り、着物を片付けて、寝ころんでウィスキーを啜っているうちに猛然と眠くなる。
やはり緊張していたのである。
10 時半にばったり就寝。
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