昼寝がしたい

2006-08-15 mardi

今日からようやく夏休みになる。
もう8月15日。夏はほぼ終わっているけど。
夏休みといっても、別に休めるわけではない。
何時にどこそこに行かなければならないというオブリゲーションが今から一週間ほどなくなったというだけである。
机の上にはゲラが三つ。
フランスに行く前に書かなければいけない本が一冊。
書かなければならない原稿が4本(たぶん)。
つまり、朝から晩まで家にこもって肩をばりばりに凝らせながら原稿を書く「自由」をついに私は得たということである。
ははは。
笑いが止まらない。
どうしてこんな不幸な身の上になってしまったのであろう。
うん、もとはいえば私が悪い。
頼まれた仕事を引き受けただけではなく、こちらから「こんな本出しませんか?」とご提案させていただいたことだってある。
自業自得である。
しかし、そのときはここまで追い詰められるとは思っていなかった。
私だって人間である。
原稿を書く以外にやりたいことだってある。
ハワイに行って、海岸で昼寝をするとか。
クーラーの効いた部屋でワインを飲みながら麻雀するとか。
新作映画を試写会で見て、帰りに亀寿司中店で中トロを食べてビールを飲むとか。
合気道の稽古の帰りに宇治クリーム氷を食べるとか。
IWハーパーのソーダ割りをのみながら『日本侠客伝』を寝ころんで見るとか。
うん。
ハワイ以外はだいたいやってるみたいだな。
すまない。
やりたいことを探す方向が間違っていた。
私がやりたかったのは、納戸の掃除と夏物冬物整理だったのである。
「主婦」としての仕事を長期にわたって怠っていた。
朝起きて、モーツァルトを聴きながら、朝ご飯を食べて、ビーチボーイズを聴きながら、掃除と洗濯をして、ユーミンを聴きながらアイロンをかけたら、とりあえずやるべき仕事が終わったから、昼寝でも・・・というのが私にとっての「ほんとうの夏休み」なのである。
23日のフランス出発までのあいだにせめて一日でいい。そんな一日を過ごしたい。
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