水曜日は甲野善紀先生の講習会。
今回の来学の目的は講習会ではなくて、シークレット・ミッションがあったのだが、これはまだ公開できないのである。
今秋くらいに「えええ」と驚く展開があるはずなので、ご期待を。
今回の講習会はそういうわけで「内輪のパーティ」にとどめさせて頂き、学外にはアナウンスしていない。
あれば行ったのに・・・と残念がっている方も多いと思うけれど、次回はちゃんとアナウンスしますから許してください。
講習会のあと西宮北口で懇親会。
三宅先生ご一行、平尾さん、ヤマダ先生と歓談。
もちろん、たちまち酒席は講習会の延長となり、床を転げ回る人続出。
甲野先生はご存じのように「名刺交換代わり」に、「じゃ、ちょっとやりましょうか」という展開になる。
以前、ごくごくビジネスライクなお話でヒルトンホテルのロビーでお話ししていたときも、話題が「最近の気づき」に及んだ瞬間、「じゃ、ちょっとやりましょうか」という展開になり、ヒルトンホテルのロビーであっけにとられている人々を前に私は「あらら」と床を転げ回る仕儀と相なったのである。
翌日は大阪の朝カルということなので早めに切り上げて芦屋駅頭で先生とお別れする。
私と釈先生の朝カルは中一日おいて土曜日。
大看板が出て『文七元結』をやったあとで、前座噺の『饅頭こわい』をやるのじゃ芸がないので、「ちょっと趣向を変えて、エンタツ・アチャコの『早慶戦』をやらせていただきます」的展開に持ち込む予定である。
木曜日は授業を三つやって、それから合気道の稽古をして、それから試写会というハードスケジュール。
日経の締め切りが過ぎているので、昼休みにカップヌードルを啜りながら40分で1200字のエッセイを書き上げる。
じゅるじゅる。
7時に大阪駅の「五木ひろし」の前でウッキー、イワモト秘書、うちの店子一名と待ち合わせ。
越後屋さんのご案内で『ダ・ヴィンチ・コード』試写会へ。
ソニー・ピクチャーズのS々木さんにご紹介頂く。
S々木さんは女学院のOGである。
やや、どうもと名刺交換。
「私の友だちのXXXさん、ウチダゼミだったんです」
「XXX・・・? 知らないなあ」
「え、・・・・」
これは彼女が勘違いしているのか、私がゼミ生の名前を忘れているのかの二者択一なのであるが、おそらく私を知る人々(同行の諸君など)はためらわず後者に有り金を賭けるであろう。
映画を見てから、弟子、秘書、店子と三人でビールを飲みながら、「この映画をどう批評したらよろしいのか」お訊ねする。
三人は私のこの職業的責任感にもとづく問いかけに対してごくわずかの関心しか示さなかった。
おそらく人々の無関心こそが私の知的探求心をはげしく刺激するにちがいないと知っての教化的ふるまいであろう。
金曜日は授業がひとつと会議が三つ。
先般、兄上と話したときに、「会議が月に30」と申し上げたら仰天されていた。
兄の会社は年商50億であるから、経営規模としては本学とだいたい同じである(商社と大学を「年商」で比較するのはどうかと思うが)。
その兄の会社では会議が月に2回(おまけに1回30分)だそうである。
「会議をいくらやってもビジネスにはならないからね」
そうですよね、兄上。
問題は大学が「ビジネスではない」という点にありそうである。
以前、平川くんが「大学と中央省庁とはビジネスをやらない」と言ったことがある。
どうしてと訊いたら、「決定に責任を取る人間がいないから」ということであった。
なるほど。
あの膨大な会議時間も「責任を取る人間」をいかにして消滅させるかを目標になされているのであると考えるとつじつまが合う。
さいわい本日の教授会は1時間ちょっとで終わる。
部長室に戻ってたまった仕事を片づけてから帰り道に床屋で散髪。
甲野先生、三宅先生、平尾さんと
甲野先生とウッキーと
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(2006-05-19 21:23)