あれをしろ、これをするなとこづかれて

2006-05-17 mercredi

ゼミが二つ。
三年生は『えんぴつで奥の細道』、大学院は「吉野屋の牛丼」。
いったい、ウチダは何のゼミをしているのであろうとお疑いの方もおられるであろうが、これが「奥の細道」は「言語と身体性」の問題に、牛丼は「食と記号」という大問題に、それぞれ展開するのである。

家に戻るとファックスから「べろん」とゲラが届いている。
『考える人』という新潮社が出している雑誌で、「戦後の思想家100人」というようなテーマで物故者100人について短い評言を集める特集を組んでいる。
100人のリストが送られてきて、そのうち何人か選んで書いてくださいと言うことだったので、小津安二郎と伊丹十三と手塚治虫を選ぶ。
「この三人」とご返事したら、小津安二郎はもう橋本治さんが取っちゃいましたということで、伊丹、手塚それに長谷川町子について書くことになった。
三人とも書いたものはだいたい全部読んでいるので、特段の準備もなく、さらさらと書いて送稿。そのゲラが届いた。
「戦後の思想家100人」とは誰のことか、これは読んでのお楽しみ。

ピンポンとチャイムが鳴って宅急便が届く。
『私家版・ユダヤ文化論』のゲラが届いたのである。
おお、これは面白い。
ワイン片手につい読みふけってしまう。

共同通信と日経と日経ウーマンから原稿の催促。
日経ウーマンは原稿は書いてあったのだが、締め切りの日に送稿し忘れていたので、すぐ送る。
共同通信と日経の月一エッセイはもう締め切りか。
月一とはいってもすぐに締め切りが来る。
今週中に書かないといけないが、まだ何を書くか決めていない。

メールで講演の依頼が二件。
どちらもお断りする。
講演は出たとこ勝負で私はかなり好きな仕事なのだが、日程がタイトでもうどうにも身動きならない。
後期はあと2コマ授業が増えるので、週8コマとなるから、とても新規の仕事は引き受けられない。

メールで取材の依頼が二件。
取材のために空けられる時間はほとんどない。授業と会議の合間か、オフの日に受けるしかない。
そうやってオフの日がどんどん埋まってゆく。

朝、起きるとき寝床の中で今日の用事を指折り数える。
17日は用事が7つ。書かなければいけない原稿が2つ。
でも、いつ書くんだろう?
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