涙のエンド・オブ・ジ・イヤー

2005-12-16 vendredi

来年のゼミの選考が終わり、今日、メンバー発表があった。
内田ゼミは今年は希望者が例年よりずいぶん多く、半分以上の希望者を落とさなければならなかった。
『エースをねらえ!』で宗方コーチの後任の西高テニス部のコーチになった太田くんが「オレは今日、テニスをやりたいというやつを100人落とした。切ないなあ」と半ベソかきながら宗方コーチとお酒を飲む場面があるが、私も同じ気持ちである。
まことに切ない。
83名面接したけれど、どの学生もみんな面白い子たちだった。
ずいぶん長い時間話し込んだ学生たちは、あんなにわいわいしゃべってたのに、どうして落とされちゃったんだろう・・・と気持ちが片づかないだろう。
できることなら、希望者を全員入れたいのだが、学科の決まりでそうもゆかない。
何人かの学生から「なんとか入れてもらえないでしょうか」というメールが届く。
「ごめんね」と返事を書く。
私の下で勉強したいという熱意のある学生を切り捨てなければいけないのである。
酒が苦い。

今年最後の教授会で、懸案の教員評価システムが教授会決議で採択されることになった。
自己評価委員長として素案を出してからここまで来るのにまる4年。
決議まで持ち込めたのは、断固たる決意でこの案件に望んだ学長と、私のけんか腰のハードな議事運営のあとを引き継いで反対意見にていねいに応接して合意形成を成し遂げたE藤自己評価委員長のお手柄である。
お二人に感謝。
どんなにがんばっても、ひとりではなにもできない。
支援者がいなければ、どんなことも組織的には実現しない。
たぶん私は自分で何かを実現するタイプの人間ではなく、誰かきちんとした人が何かを実現するために、あらかじめ下ごしらえをする「ジャガイモの皮むき」タイプの人間なのであろう。
教育というのは、そういえばまさに「下ごしらえ」そのものである。
才能を開花させるのは教え子たちひとりひとりである。
私は彼ら彼女らの「皮をむく」のである。
さくさく。
明日は甲野先生の講習会、そのあとわが家で懇親会兼納会である。
その支度のために、大根とジャガイモの皮をむく。
さくさく。
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