東京へ

2005-12-12 lundi

言うまいと思えど今朝の眠さかな
それにしても忙しい。
これほど忙しい年末は生まれて初めてではないかと思うほど忙しい。
ダイヤリーを見たら、昨日締め切りの論文(30枚)が一本、明日締め切りの論文(30枚)が一本、来週末締め切りの論文が(9枚)が一本あった。
いずれも「学術論文」であって、「身辺雑記エッセイ」ではない。
「昨日締め切り」の分だけ3枚ほど書いたが、あとは一行も書いていない。
そんな無茶な注文をなぜ受けたのかとご不審であろうが、どれも「断れない筋」から「さぞやお忙しいこととは存じますが、そこを枉げて」と強談判されてへなへなと引き受けてしまったのである。
結果的にはどれも締め切りには間に合わず、書き飛ばした論文のクオリティは目を覆わんばかりのものとなることは必定である。
受け取った方は「なんだ、こりゃ!」(@松田優作)と激怒されるであろうが、なにしろ熟慮も推敲も不可能なタイムテーブルで書き飛ばす他ないのである(だって、原稿を書くための時間というのが日程のどこにも一日とて存在しないのである。「移動中」「授業の間」「会議中」に書く他ない)。
それに「一読卒倒されるような低品質のものしか書けませんよ」ということは事前にちゃんと発注元には念押ししてある。
先方は冗談だと思って「またまた」とか笑っていたけれど、冗談抜きで、私が書くものの品質が最低レベルのものであることには確信がある(なにしろこれから書くのであるから、この予言には強い遂行性が含まれている)。
知りませんからね。
ほんとに。
私はこのブログ日記を東京へ移動する新幹線の中で書いているが、いま(京都駅)から東京着までの二時間の間に私は論文を一本書いてしまう予定である(明日の帰りの車中にもう一本)。
そんな手抜きな・・・と絶句されるかたもおられるだろうが、ほんとうなのだから仕方がない。
というわけであるので、これから年末年始にかけて私に仕事を言いつける方たちは、そのつど私のアウトプットのクオリティをぐいぐいと引き下げ、関係各方面で発せられる失望と怨嗟の声の増大に資しているという現実を十分にご自覚願いたいと思う。
本日の上京は多田先生の今年最後のお稽古に参加し、そのあと春日武彦先生と池袋のリブロで対談をするためである。
対談には出版関係者の「債権者」たちが多数ご来臨されるようであるから、会後の「打ち上げ」はどちらかというと「吊るし上げ」に類するものになろうかと推察されるのである。
その苦難の時間に備えて、道場ではお師匠さまの英知の言葉に耳傾け、同門の道友たちとの稽古を心ゆくまで楽む所存である。
--------