がんばれ神鋼スティーラーズ

2005-10-23 dimanche

『文藝春秋』に「同級生交歓」というグラビアページがある。
私が子供の頃からずっとあるページだから、ずいぶん息の長い企画である。
小学校の頃、平川君と「いつか『文春』の『同級生交歓』に出ようね」と約束していたのだが、なんでも口に出して言っておくもので、そのオッファーが来た。
最初は温泉麻雀の時に露天風呂で秋空を見上げているカットを考えたのであるが、日程が合わず、平川君が大阪に来ているときに合わせて撮ることにした。
金曜日の教授会後に仕事を終えた平川君が大学に来る。
記者とカメラマンが合流して、研究室で撮るはずだったのだが、だいぶ遅くなったので西宮北口まで迎えに行ってそのまま芦屋のうちの居間で撮ることにした。
「同級生交歓」はご存じのように同窓会の後ホテルのロビーでとか卒業した学校の校門の前とか功成り名遂げた同級生の豪邸のプールサイドとかで撮るものであり、「ミッフィーちゃんのぬいぐるみ」とマンガ本が転がっている狭いマンションの一室で撮るというようなことはない。
「こういうのは例がないです」
と記者くんはいささか途方に暮れていたが、私と平川君はその後三宮に出て晩ご飯を食べる予定があり、こういう状態でイラついている私どもを「前例」とか「常識」とか「世間の手前」とかで規制することはたいへん困難である。
カメラマンに向かって、「一流のカメラマンって、撮るの早いよね」「そう、ほんとに数カットぱっと撮って終わりだね」「だらだらアングルを換えて撮るようなカメラマンに上手い奴いたことないもの」「そうそう」と激しくアオリを入れておいたので、一アングルから十数カット撮っただけで私たちを解放してくれた。
この写真は平川君の泣けるキャプションがついて『文藝春秋』の新年号に出る。
文春のお二人に別れを告げて三宮に出る。
『ミーツ』の江さん、青山さんと神鋼の増保輝則監督とラグビー・シフトでご飯を食べようという企画である。
「源平」からスピンオフした元町の「一慶」というお寿司やさん。
増保さんと平川君は初対面であるが、早稲田出身の平川君は増保選手が現役だった時代の早稲田ラグビー黄金時代に熱心なラグビー・ウォッチャーであったし、前のマンションにいた頃に仲の良かった隣人が「マスホ」さんという方で、この方が増保監督の父方の従兄弟に当たるという奇縁。
鯛、鰹、烏賊などを「美味しい美味しい」とぱくぱく頂き、お酒も飲む。
平川君は前回の江さんの出版記念パーティのときは歯槽膿漏でお酒が飲めなかったが、今回はその治療の過程で歯医者のドリルが歯茎を突き抜けて鼻腔に達し、そこに炎症が展開してえらい状態になっているそうである。
ほんとうに病気の多い平川くんである。
「医者に酒止められてるんだよね」と言って最初はおとなしくウーロン茶なんか飲んでいたが、やがてみんなが飲んでいるのに我慢できなくなって気がついたら燗酒をくいくい飲んでいた。「いいんですか?」と青山さんは心配顔だったけれど、平川君はけらけら笑っている。
ほんとうに丈夫な男である。
江さんのだんじり話、増保さんのラグビー話、平川君の空手話、それぞれの得意エリアの熱い話を酒肴に、青山さんと(途中から参加の「上海熱血OL」何さん(「なに」さんじゃなくて「か」さんね)に注がれるままに酒杯を重ねる。
いちおう病弱な二人ということになっているので、三宮駅頭で増保さんに「日曜日花園まで応援にゆきますね」と手を振って、おとなしく電車のあるうちに芦屋に戻る。
そのまま深更までおしゃべり。目が覚めると朝飯を食いつつおしゃべり。
メールチェックしていたら新宿の朝カルから講演の依頼があった。
「平川君、朝カルでない?」と訊いてみると「いいよ」ということなので、「平川君と対談なら出ます」と返信しておく。

平川君を送り出して昼からひさしぶりに芦屋で合気道のお稽古。
一汗かいてからIT秘書に来てもらってアンチウィルスの手当とPHSの解約手続きをする。
シグマリオンIIというモバイルを2年ほど前に導入したのであるが、これがその前身のシグマリオンと比べてたいへん使い勝手が悪く、そのあとにマックのノートを買ってしまったので結局ほとんど使わないまま「タンスのこやし」となりはてていたのであるが、PHSの使用料だけは払い続けていた。
「あれもったいないですから解約しましょう」という秘書の進言に従う。
なんにでも気のつく秘書である。
秘書は年内に仕事を辞めて、それからしばらくは「IT110番」のようなSOHO仕事をやる予定だそうである。
「インターネットに接続できない」とか「起動しない」とか「ソフトの使い方がわからない」とか、そういう(私のような)「重度のメカ音痴」の困惑を電話一本で駆けつけて解決してさしあげようというIT的にチャレンジドな人々にとっては親身サービスである。
「紹介者のあるクライアント」限定で商売する予定だそうであるから、そのうち「開業」したら、このブログでもアナウンス致します。
私と江弘毅さんと池上六朗先生ご推奨の「IT110番」ですので、その節はどうかごひいきに。

翌日曜はかねてのお約束で花園ラグビー場へ「神鋼スティーラーズvs福岡サニックス」の試合を観戦にゆく。
ラグビーを生で見るのは1974,5年頃に国立競技場で早明戦を見て以来である。
明治に松尾雄治、早稲田に藤原優という時代である。
ゼミ生三人とぞろぞろ近鉄奈良線(今回はちゃんと道案内がいるので間違えない)で生駒の麓の東花園まで行く。
花園ラグビー場の入り口のスティーラーズのブースでカンキくん大迫力くんに会う。青山さんも後から合流される由。
今回は平尾剛史さんにチケットを手配してもらった。S席4000円のチケット3枚を平尾さんから頂く。
お代を払おうとすると、「チームからのご招待です」ということで、全員で「平尾さーん」とすがりつく。

花園ラグビー場にて、平尾剛史さんを囲むウチダゼミの人々。

平尾剛史さんは性格はいいしルックスはいいし頭はいいしラグビーはうまいし、ほんとうに現代にまれなる好青年である。
残念ながら、故障が癒えず、今シーズンはまだ出場機会がない。
平尾さんがまたグラウンドを疾駆する姿を早く見たいものである。
試合は 55-10 とワンサイドゲームになったが、平尾さんに横で試合解説を聞きながら試合を見るというたいへん恵まれた観戦であった(なにしろラグビーのルールを知らないで来たのもいるから)
一同感激。
大畑くん、元木くん、斎藤くんのトライシーンも見ることができたし、気分よく花園ラグビー場をあとにした。
12月の試合もぜひスティーラーズの応援にゆきたいものである。
試合後の宴会が予定されていたが、まだ風邪が治りきらないので、今回はパス。
はやく風邪治らないかな。
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