衆院選挙。
結果はご案内の通りである。
選挙総括については、13日の毎日新聞にわりと長いものを書いた。
毎日新聞を取ってないひとのために、新聞掲載後にブログに転載しておきます。
いつもはたらたらお酒をのみながら選挙速報を見て、大勢がわかったところで寝てしまうのであるが、今回は総括の原稿を書くという仕事があるので、各チャンネルをザッピングしながら、12時まで見続ける。
MBSの、いかにも大阪ローカルという感じの、制作費の安そうな速報番組がいちばん面白かった。
筑紫哲也と久米宏と古館伊知郎の速報もときどきブツ切れで挿入される。
首相のインタビューでは久米宏と田丸美寿々が首相に嫌みなことをいろいろ言っていたが、「批評性がある」ということと「嫌がらせを言う」ことは違うんじゃないかと私は思う。
この種の「弱者切り捨て」論からするところの強権批判という定型がほとんど政治的言説としてインパクトをもたなくなったということが今回の選挙のきわだった特徴ではないかと思われる。
小泉首相の美意識は「弱者は醜い」ということにある。
これを私はつよく感じた。
今回の選挙でもっとも注目を浴びたのは、自民党公認を取れなかったベテランが、公募でやってきた若い何の組織力ももたない公認候補に追いつめられて敗北する場面であった。
この嗜虐的なドラマを有権者はおそらく喜んだのである。
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(2005-09-12 11:37)