きっとこうなると思っていました

2005-09-11 dimanche

香川から帰ってきて、その足で合気道のお稽古へ。
大学のロッジの36畳の練習室に30名以上が詰め込まれて、もうたいへんな人口密度である。
この夏最後とおぼしき残暑の中で、全員汗びっしょりになってお稽古に励む。
平尾さんがラグビーシーズン開幕前最後の稽古に参加。
道着を着ると、さすがにさまになる。
平尾さん、Pちゃん、高雄くんと大きい人がふえてきたので、道場が狭く感じる。
たっぷり3時間余のお稽古のあと、高雄くんの歓迎会。
高雄くんは4年間のボストン暮らしののち、京大に職を得て帰国してきたのである。
というわけで今回の歓迎会のコンセプトは「ボストン」。
ウッキーは豚の角煮を作ってきて、「トンのボス」(ボスって何のことなんだろう)だと強弁していた。
私は鉄板焼きをご用意する。
「トン」が豚肉であることはウッキーと同じ凡庸な発想であるが、これを「かぼす」のポン酢で食べると「かぼす+豚」となるというあたりの工夫にダジャレ道における一日の長のあることが知られるのである。
他の人々は何も考えずに来てただ食べて飲むのみ。
多少の気遣いというものが欲しいものである。
この集まりが高雄くんの歓迎会であるという趣旨を知らず、ただの宴会のつもりで集まってきた人々も散見されたようである。

宴会中、M日新聞から電話があって、総選挙についてのコメントを求められる。
すでに新聞二社からコメントを求められて、どちらもお断りしているのであるが(「みんな選挙にゆきましょう」くらいしか特に言うべきこともないから)、今回のオッファーは「総選挙結果をふりかえって」というものなのでお引き受けする。
もう終わってしまったことについて後知恵で「私ははじめからこうなると思っていました」と言えばよいのであるから、こんな楽なことはない。
ウチダはどうしてうちの仕事は断ったのによその新聞の仕事は受けるのだとお怒りになる記者さんもおられるかもしれないが、出来事の事前にコメントするのと事後にコメントするのでは、知的負荷というものがまったく違うということをご諒察願いたい。
自慢じゃないけど「きっとこうなると思っていました」というコメントなら私はどのようなトピックについてもでも語ることができる。
11時に散会。
さすがに講演を二日続けてやり、香川往復自動車旅行のあとに稽古と7時間の宴会で、よれよれとなり、よれよれとベッドに倒れ込み。爆睡。
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