ナイアガラおのぼりツァー

2005-08-19 vendredi

鈴木晶先生のまねをして、海に行って、プールに行って、素麺を食べて、昼寝をして、夕方になったらビールを飲んで、寝ころんで映画を見て、仕事は少ししかしない、という本格的夏休み体制におとといから入っている。
いやあ、これはよい。
ごろごろして、たまに机に向かうと、仕事が実にはかどる。
「塩漬け」アメリカ論をちょろちょろ直し、「山ちゃん本」を書き足し、そのついでにK同通信のエッセイを書き上げ、『ミーツ』の漫画エッセイも書いてしまった。
なんか、ふだんより仕事の能率がいい。

今日はこれから東京。
ついに念願の大瀧詠一師匠との対談企画が実現したのである。
思えば Niagara Moon を手にとってからはや30年。
ラジオ関東の “Go! Go! Niagara“ を毎週たのしみに聴いていた頃、私はまだ二十代の若者であった。
大瀧先生の分母分子論以降の音楽史研究はミシェル・フーコーの系譜学的思考の最良の実践例のひとつであり、私が師匠の「広義における音楽活動」からどれほど多くの影響を受けてきたか、ことばには尽くすことが出来ない。
今日は同じく30年来のナイアガラー・メイトである石川茂樹くんも対談の席にご一緒していただく。
私はたいへん怠惰なリスナーであるので、「えーとなんでしたっけ、あの、ナントカいうひくひくする曲・・・」というようなことばかり言ってさっぱり話が先に進まない可能性があるので、「歩くポップス大辞典」であるところの石川君にご同道を願い、「ウチダくん、キミが言いたいのはバディー・ホリーの『ペギー・スー』でしょ」「あ、それそれ」という展開に持ち込む予定なのである。
ではみなさん行ってきます。
Niagara Moon のLPにサインもらっちゃお。
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