二日酔いで薪能

2005-08-02 mardi

前夜、タカハシさんと午前1時半までおしゃべりして、ワイン4本も空けてしまったので、朝はさすがに頭がとろんとしている。
とろとろと起き出して、昨日の対談のMDを聞き返してみる・・・とこれがめちゃめちゃ面白くて、げらげら笑いながら最後まで聞いてしまう。
途中でふたりとも酔いが回ってきて、タカハシさんはだんだん話がゆっくりになり、私はだんだん早口になり、回転数の違うレコードを交互にかけているようである。
残念ながら、この対談は『ワンコイン悦楽堂』の巻末付録なので、全部は採録できないのである。
タカハシさんとの対談本企画はたしかどこかの出版社が手を挙げていて、企画そのものは「ゴー」のはずなのだが、私とタカハシさんが会う機会がなかなかないのでまだ本にならない。
昨日も新神戸でお会いしてから竹園ホテルに送るまで7時間ぶっ通しでしゃべっていたので、あれを全部録音しておけば・・・と後知恵を働かせる。
えーと、タカハシさんとの対談本の企画って、どこの出版社でしたっけ? O田出版でしたっけ? 違ったらごめんなさい。
これからタカハシさんと会うときは必ずMD持参で行きますから。

さらに業務連絡。
この竹信悦夫の『ワンコイン悦楽堂』は竹信くんが朝日新聞のweb上に連載していた書評集である。
どうして「ワイコイン」かというと、彼が古書店をまわって「百円玉」一つで買い集めた「ちょっと前のベストセラー」や「まったく話題にならなかった駄本」を書評するという、「ふつうならまず書評の対象になることのないC級本」の書評集である。
12歳にして批評家としての文体を完成させ、そのあとランボーのような長い沈黙に入った天才が、知命をすぎた頃に書き始めた文章はいかなるものであったか・・・
この本はすでに編集が終わって、タカハシさんと私の「竹信悦夫の天才性の解析」をめぐる対談がまとまると出来上がるのであるが、まだ出版社が決まっていないそうである。
編集担当の太田さんから、出版社を紹介してくださいとお願いされているので、ここに告知するのである。
興味がある出版社、ウチダあてにご一報下さい。

夕方まで『アメリカ論』。
中世の日本の子ども観について、ルイス・フロイスの『日本史』から引用しようと思って本棚を探す。30分かかって結局見つからず。
もうちょっと本を整理しとかないとなあ。
その代わりに探してた網野善彦『異形の王権』が出てきたので、そこから「童子論」を引用することにする(行き当たりばったりだな)。

夕方になったので、長田神社の薪能へ。
下川先生が「井筒」の後ジテをされるのである。
暑いし、虫がいるし、市会議員のスピーチとかあるし・・・どうも集中できないが、さすがに下川先生が出てくると舞台もぴんと筋が通る。
でも、序の舞はあまり薪能向きじゃないみたい。
『船弁慶』とか『小鍛治』とか『安達原』とか、そういうアクション&ホラー系の演目の方が薪能向きのような気がする。夏の夜だし。
暑い中をよろよろ家に戻り、車でそこまででかけようとすると、なんとバッテリーが上がっていた。
昨日、タカハシさんを下ろしたときに、ライトを消し忘れて一日放置したらしい。
あらまあ。
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