風邪がまだ治らない。
というよりますます悪化の度を増している。
日曜に根を詰めてユダヤ文化論の原稿を書いたのがわざわいして、日曜夜半より急に体調が悪くなり、また熱が出て、今度は持病の痛風まで再発。
頭はふらふら、親指付け根の激痛で歩みは『人魚姫』状態。目はかすみ、のどはひりひり。
それでも月曜は抜けられない会議が二つある。
最初の会議を終えてよろよろオフィスに戻る。次の会議は3時間半後。
それまでこんな冷えたオフィスにいたのでは風邪が悪化するばかりであるので、とりあえずいったん家に帰ることにする。
こういうときに職住近接は便利である。
3時から5時まで二時間昼寝。
べっとりいやな汗をかいて目が覚める。
のっそり起きあがってスーツに着替えてネクタイを締めて、再び大学へ。
某委員会に出る。
これは学長の代理出席であるから、熱があっても抜けるわけにはゆかない。
会議室に入ると、昨年ある席で激論をかわした諸氏がいる。先方は私のことなどお忘れのようなので、こちらも素知らぬ顔をして座る。
会議の前に食事が出る。
誰もひとことも発しない。
静まりかえった会議室に「くちゃくちゃ」と「ずるずる」という咀嚼音だけが響いている。
これほど味のない飯を食うのも珍しい経験である。
食欲もないので、少し箸をつけただけ蓋をする。
それから委員会が始まる。
たいへんデリケートな内容の会議であるので、詳細についてはもちろんこんなところでお話するわけにはゆかない。
ずっと黙っていたが、最後にちょっと「かちん」と来たことがあったので、「フェアネスとは何か」ということについて私見を申し上げる(申し上げているうちにだんだん頭が熱くなってくる)。
「事件は会議室で起きてるんじゃない! 現場で起きてるんだよ!」という青島くん(織田裕二)のセリフをしみじみ実感しながらうなだれて家路につく。
パブロンを飲んで(「おそめのパブロン」だから効かないかも)、はやばやと床に就く。
30分ほど寝ると汗びっしょりで目覚める。
そのつどTシャツを着替える。
毛布も敷き布団もぬれてきて気持ちが悪いので、起き出して全部とりかえる。
乾いたシーツと毛布にくるまっているうちにようやく眠りが訪れる。
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(2005-07-12 10:34)