梅雨の風邪

2005-07-06 mercredi

風邪のひきかけ。
なんとなく、全身がぴりぴりしているので、早々と床に就く。
明け方に寒気がして目覚めて、とりあえず手近の総合感冒薬を飲んでふとんをかぶってもう一度寝る。
少し汗をかいて昼頃目覚める。
13時間半寝ていたことになるが、まだのどがいがらっぽく、微熱がある。
毎年この時期になると風邪をひく。
去年は3週間くらい性悪な風邪に苦しめられて、体重がげっそり落ちた。
六月というのは心身の疲労で免疫力がぐっと下がるのだろう。
それなのに仕事はさっぱり減らない。
今日も家で寝ていたいけれど、午後から大学院の学内推薦選考で大学に行かねばならない。
昨日はゼミのあとに同志社女子大のメディア情報学科の学生さんたちが取材に来る。
十日ほど前に郵便でアンケートがきて「『ふつう』と『ふつうじゃない』の境界線についてどう思うか」と訊かれた。
簡単にお答えできるような問いではないが、他大学とはいえ、高等教育支援にはつねに前向きなウチダであるので、さらさらと書いてご返事する。
すると、ただちにメールがきて、このテーマについてさらにお話を伺いたいという申し出があった。
いいよとご返事すると、三人の学生さんたちがはるばる田辺からやって来た。
「ふつうであることの自由、常識的であることの過激さ」というテーマで30分ほどお話しする。
果たしてお役に立てたであろうか。
ゼミにはNTTのM島くんも『街場の中国論』の進行ぶりをチェックするべく聴講に来た。
昨日から『街場のアメリカ論』の校正にようやく取りかかる。一年分のゼミだから、目がくらむほどの量である。
これを刈り込んで書き足して、八月中に仕上げなければならない。
そのあいまに今月は『文學界』最終回とDHCの翻訳エッセイをふたつ、共同通信のエッセイをひとつ。
風邪なんか引いている暇がない。
M島くんと北口の「並木屋」でお寿司を食べる。
たいへんおいしいお寿司であるのだが、出版界の窮状や日英同盟のフシギについて語っているうちにだんだん寒気がしてきて、早めに切り上げて寝る(そして冒頭に戻る)。
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