懲りない男

2005-06-11 samedi

大学の家庭会総会というところにでかける。
家庭会というのは保護者会、PTAみたいなものである。
奉職してから15年間、そのような敷居の高いところには一度も足を踏み入れたことはなかったのであるが、役職上、私のような「できれば保護者には見せたくないタイプの教員」も保護者のみなさまの前にさらさなければならない仕儀となったのである。
顔出しついでに「大学のゆくえ」と題する講演をすることになる。
いただいたお時間は45分。
大学淘汰、少子化、学力低下、「学びからの逃走」、階層化教育危機、NEET、「オレ様化する子どもたち」…といった今日の教育の同時多発的破綻の根本には「経済合理性の追求」を優先する思考が底流としてひそむのではないか、という「大風呂敷」話で保護者のみなさまのご機嫌を伺う。
話しながら、ほんとにそのとおりだよなと自分の話に自分で頷いてしまう(しあわせな男である)。
そういえばこの「教育ネタ」はあちこちのシンポジウムや講演では断片的に語ってはいるが、まだまとまったテクストにはなっていない。
ちょうど、6月25日26日にトップマネジメント・カフェというところで「学びからの逃走、労働からの逃走」というお題で「学力低下とNEET」の問題を主題的に論じようと思っている。
これは途中から平川くんとの「掛け合い漫才」的展開になる可能性もあり、なかなか面白い口述になりそうな予感がする。
これをテープに録音して…そのまま単行本にしちゃうというのはどうだろうか、ねえ平川くん?
教育問題についてはあれこれの対談本で触れてはいるけれど、正面から論じたものは『先生はえらい』だけしかないし、その『先生はえらい』も「学びからの逃走」やNEETや不登校や教育危機と階層化の問題には論及していない。
なかなか時宜を得た企画だと思うんだけど、どうでしょうね平川くん?
というわけで、業務連絡です。
平川くんのオッケーが出たら、この口述を教育論単行本として出してみたいと思います。
興味のある出版社の方、ご一報ください。
早いもの勝ちです(「げ、ババつかんじゃったぜ」という可能性もありますが・・・)
それにしてもこの状況で仕事をふやして私はどうしようというのであろう。
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