茂山千作とラス・メイヤーって、ちょっと似てません?

2005-02-27 dimanche

晴れた日曜日。
土曜の夜早寝したので、わりと早めに起きて、仕事。
まず『エピス』のために『エターナル・サンシャイン』の映画評をさらさらっと書く。
これまたハリウッドの大好きな「クリスマス・キャロルもの」である。
「クリスマス・キャロル」と記憶操作というハリウッドの「ツボ」を抑えたシナリオなので、アメリカで大ヒットするのはよくわかる。
では日本ではヒットするかと問われれば、私の答えは申し訳ないけれど「ノー」だ。
配給会社の諸君は、「アメリカの観客が好きな映画」と「日本の観客が好きな映画」はどこがちがうかということについてもう少し真剣に研究した方がいいと思う。
日本の観客の好みについてはある程度リサーチがあるだろうけれど、「特殊アメリカ人だけしか好まない映画」ジャンルというものが存在することを忘れてはいないだろうか。
この点について踏み込んだ考察をしている映画批評家は町山智浩くらいしかいない。
町山さんのアカデミー賞予想は読み応えがある。
さて、結果はどうなるんだろう。

映画評をさらさらと書いたので、次は小田嶋隆『人はなぜ学歴にこだわるのか』の文庫版解説を書き上げる。
タイトルは「中腰の知性」。
「中腰」というのは、春日武彦先生のキーワードで、最初に会ったときにお聞きしてから、ずっと気に入っている。
「中腰の人」というのは、「腰は低い」けれど、「けっこう足早」である。
温泉旅館の仲居さんなんか、中腰のまま重たいトランクなんか下げて、さっさと迷路のような廊下の奥へと客をいざなってゆく。
小田嶋先生の知性の働き方も、おそらくそのような意味で「中腰」なのである。

二つとも書き上げたので、昼飯を食べる。腹一杯になると眠気が襲ってくる。
佐野洋子の『神も仏もありませぬ』を読みながら深い眠りに落ちる。
一時間寝てから着替えて、大阪のNHKホールへ。
茂山千作さんと宗彦さんの狂言『寝音曲』と片山九郎右衛門さんの『隅田川』。
人間国宝を二人見られて、お代はなんとリーズナブルな2000円。
ウッキーが一緒だったので、帰りに「お茶でも」ということになるが、梅田の街は「がわんがわん」と耳鳴りがするほどうるさく、あきらめてマクドでハンバーガーを囓ってお別れ。
大阪駅に行く途中、ふと思い立って、梅田の「ヨドバシカメラ」にはじめて足を踏み入れる。
3FのDVD売り場でどんなものがあるのか点検しに行ったのである。
やあ、驚いた。
なんと「エド・ウッド・コレクション」がボックスで出てるのである。みなさん、信じられます?
「ラス・メイヤー」なんかボックスが3つも出てる。
ラス・メイヤーのバカ映画を家のこたつに寝ころんで吐くまで見られるなんて。
「ラス・メイヤー・ワイルド・ボックス」の隣は「ダイアン・ソーン姐さん三本セット」。
なんとよい時代であろうか。
荷物になりそうなので、エド・ウッドとラス・メイヤーはアマゾンで買うことにする。
ここまで時代が進んでいるということは、もしかすると「ジョン・ウォーターズ・全作品」なんていうのも出てたりして…と思ったが、さすがにそこまで時代は進んでいなかった。
でも、『ヘアスプレー』と『ピンク・フラミンゴ』がDVDで出ていることは確認。現品のあった『ヘアスプレー』をとりあえずゲット。
ついでに『ジェリー・スプリンガー・ザ・ムービー』も購入。
「ジェリー・スプリンガー・ショー」は町山さんの『アメリカ横断TVガイド』で読んでから、ぜひ一度みたいものだと切望していたのであるが、TV番組ではなく、ご本人主演の映画。とりあえずこれで雰囲気だけでも味わってみることにしよう。
やあ、なんとなく春休みっぽい気分になってきたなあ。
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