さまざまな訂正とお詫び

2005-01-31 lundi

コメントしようとしても「サインインできません」という無情なリアクションしか来ないので、自分のサイトなのに、自分でコメントできない。しかたがないので、こっちに書きます。

(1)「宝塚ホテル云々」というのはもちろんジョークです。今まで本学では採点のために泊まり込みをしなければならないほどの志願者がいたことはありません(泣)。27日の人間科学部の国語の採点なんて35分で終わってしまったんですから(号泣)。それにほとんどの本学教員は学校の近く(うっかりすると歩いていけるくらいのところ)に住んでます(私は原チャリで15分のとこ)。

(2)映画を2時間みて30分で映画評を書いた場合、一日の残り時間はどう計算してもあと21時間半ですね。

日記に歯医者のことを書いたら、さっそく歯科医の方から「歯周病による抜歯であれば、いまは抜かなくてもいい治療法があります」という耳よりな情報提供があったので、それをご紹介しておきたい。
「歯周病に対しては、新しい治療法があります。ジスロマックという抗生物質と、ハリゾンという抗カビ剤を使った治療法で、これらの2種類の薬を正しく使えば、歯周病を10日程度で治すことができます。
歯周病の原因は歯周病菌です。歯周病は歯周病菌の「感染症」なのです。(50代の方であれば、80%以上の人が感染しています。)感染しているかどうかは、歯垢を顕微鏡で観察して判断します。
上記の薬を使えば、お口の中全体の歯周病菌を除菌することができます。悪い菌がいなくなれば、歯ぐきはよくなっていきます。
薬による除菌の後は、再感染しないよう注意すれば効果は(おそらく一生)持続します。
除菌後の注意点ですが、具体的には

 1 歯を磨く(常識レベルの歯磨きで大丈夫です。)
 2 性行為の相手も除菌の治療を受ける。
      (歯周病の人とキスをすると再感染します。)
 3 他人と同じ皿、同じコップで食事しない。
       (取り箸を使えばOKです。)
 4 年に2〜3回、顕微鏡で再感染していないかチェックする

くらいです。難しくはないと思います。
ちなみに歯周病患者の歯垢を顕微鏡で観察すると、おぞましい像を示します。画像を動画で患者さんにお見せすると、たいていの人は気持ち悪がります。
トレポネーマという菌などが、ぐにょぐにょ動きまわるのです。ひどい場合には、ハエの大群が飛び回っているような像になります。
かなり気色悪いです。」

というたいへん心温まる専門的助言を頂いたのである。
しかし、ご一読なさった方の多くも私と同じ感想をもたれたと思うが、「除菌後の注意点その2」のもたらす社交上の制限を凡夫はどのようにクリアーすればよろしいのであろうか。その点に若干の問題が伏在しているように思われる。
この場合、除菌済みが確認された相手とのみ選択的にその種の行為を行うということになると、そもそもその種の行為を行うことによって達成されるべき本来的な愉悦というか人類学的意義というか、そういうものも併せて損なわれることになるのではないかという一抹の不安にかられるわけである。
この治療法がデファクト・スタンダードになった場合、私どもはその種の行為にとりかかる前に除菌処理の有無について事前のリサーチというようなものを行うことになるのであるが、ご同輩のみなさんも経験的に熟知されているとおり、かかる情緒的にやや高揚した局面で「医学的リサーチ」というようなことを差し挟むのは感興をいささか損なう可能性なしとしない。なお、当方が除菌済みであり、かつ先方が未処理であるということを自己申告せられた場合、かかる好機をばおのが歯茎の健康を配慮してむざむざ逸されるという方がどれほどおられるかというあたりにこの治療法の全国的展開を阻みかねない実践的難点が看取されるのである。
もちろんその種の行為は私にはいささかの関係もない世俗的事象であるので、関係ないといえば関係ないのであるが、未来永劫関係ないときっぱりと断言できるかどうかと真顔で詰め寄られるといささかの逡巡を払拭しきれないところに凡夫の限界を見る今日この頃なのである。
それに、この治療法をしちゃうと「鍋」もダメなんでしょうか?

銀色夏生さんが女性であるということを書いたら、あちこちから「ええええ男じゃないんですか!」という反応が相次いだ。
私が調査した限り、「銀色夏生さんて、ちょっとボーイッシュなきれいな女の人ですよ。だって本に写真出てるじゃないですか」という正確な情報を提供をしてくれたのは女性の1名(この方は80年代に銀色夏生さんが監督をする映画のオーディションの告知を『オリーブ』で見て、東京まで監督面接を受けに行って(落ちた)というレアな経験の方である)だけで、それ以外のアンケート対象の男性全員が「マツモトタカシを…」という私と同一の印象を持たれていたことが判明した。
しかし、どうしてここに「マツモトタカシ」の名が出てきたのか。
私は「はっぴいえんど」の古手のファンであるので、もちろん松本隆先生には敬愛の念以外のいかなる邪念も持たぬことをここに天地神明にかけてお誓い申し上げることができるのであるが、これはどうやら銀色夏生さんがそのデビュー時において松本隆先生と活動領域がかぶっていたことに遠因がありそうである。
そういわれてみると大澤誉志幸や吉川晃司の80年代のアルバムに銀色夏生さんは多くの歌詞を提供されていたように記憶している。
しかし、性別誤認による「あらかじめ失われた読者」をこれだけ多く数えながら、なお伝説的なセールスを記録したという事実そのものが銀色夏生さんのたぐいまれな才能を逆証することになるであろう。
この機会を借りて満天下の「銀色夏生=男性信憑」によって読書機会を阻まれていた男性諸氏に「つれづれノート」を書店店頭にて手に取られんことを祈念しつつお詫びのご挨拶に代えたいと思う。
付記:なお、銀色夏生さんが私宛の手紙に記されていたのは、「本を読むネコ」ではなく「本を読むこぶた」であるとの誤記の指摘がなされた。この点についても関係各方面に拝してご宥恕を乞う次第である。バカでごめんね。
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