いそがしさに取り紛れ報告を二点忘れていた。
一つは朝日新聞の書評に『他者と死者』が取り上げられたこと。
評者は詩人の小池昌代さんという方。
この方は前の日のBSでも、『東京ファイティングキッズ』を「お薦め本」として取り上げてくださったそうで、連続二日にわたり、ウチダ本をマスメディアを通じてご推奨くださったことになる。
うちのテレビではBSを見られないので、「見たよ」という人の話を聴いただけであるが、平川くんによると「美しい人」だったそうである。
別に評者の容貌と批評の妥当性のあいだには何のリンケージもないのであるが、それはそれ。やはり「美貌の詩人に激賞された」という話の方が個人史的記憶としては甘美ではありませんか。
小池さんどうもありがとうございます。この場を借りて販促活動へのご協力に平川ともどもお礼を申し上げます。いずれご尊顔を拝する機会などありましたら、ぜひシャンペンなど一献差し上げたく存じます。
もうひとつうれしい話は、神戸製鋼ラグビー部の平尾剛史選手からメールをいただいたこと。
平尾さんはご存じ、コベルコ・スティーラーズの現役ウィングである。
『ミーツ』の青山さんのオススメで、『私の身体は頭がいい』をお読みになり、「おお、これはラグビーにも通じる」と私のワニ的身体論(ブランキ主義的なワニ革命党派形成論、なんてなんのことだかわかりませんよね、読んでないと)にいたく共感されて、ご自身のサイトとのリンクの許諾を求めてメールをくださったのである。
ウチダはプロスポーツというものに何の関心もないのであるが、ラグビーだけは例外的に好きである。
早稲田に藤原優がいて、明治に松尾雄治がいた時代からのラグビー・ウォッチャーであるから年期だけは長い。
以前は松尾率いる新日鐵釜石のファンであり、のちに平尾誠二選手の同志社大学時代の仰天のドロップゴールを見て平尾ファンとなり、そのまま神鋼ファンに移行したのである。大学はずっと早稲田一筋。増保、堀越、今泉を擁した時代の早稲田は多くの感動的な試合をしてくれたけれど、雪の早明戦はまさに日本ラグビー史上に残るすばらしいパフォーマンスだった。神鋼ラグビー部の現在の監督はそのおりの「スーパー一年生」増保輝則選手である。
さっそく平尾選手にご返事メールを出した。シーズンが終わったらぜひ一度お会いして、ラグビーと武道の術理の接点についてお話ししたいものである(ついでにゼミ三回生の諸君からスティーラーズの若手選手との合コンをアレンジしてくれと頼まれているので、それもお願いしてみるつもりである)。
神鋼、今シーズンはやや不調であるが、今季残り試合をしっかり応援させていただきます。
がんばれ、スティーラーズ!
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(2004-12-02 09:58)