昨夜遅くに多田塾合宿から全身筋肉痛で帰ってきて、そのまま死に寝。
今日は朝から教員研修会。
夢から一転、なまなましい現実に直面する。
昨日までは道着姿で気錬会や早稲田の諸君と投げたり投げられたりして遊んでいたのだが、今日はアルマーニのスーツに黒縁眼鏡で、アクレディテーションとアセスメントの教育行政的な差異や少子化による大学淘汰圧や管理プロセス評価などについて、再建企業に出向してきた銀行員のようなリアルでクールなプレゼンを行う。
朝の10時から午後4時まで研修会で基調報告と司会をして、そのあとも 8 時まで会議。
昼も夜も仕出しの会議弁当。
家に戻ると「校正を早く送れ」というメールが二通。「講演のレジュメを早く送れ」というメールが一通。対談の確認が三通。ファックスからは3メートルほどの紙がべろんと舌を出している。
みなさんの気持ちはわからぬでもないが、こちらも眼は二個、手は二本しかないので、同時多発的にはご要望にお応えできない。
明日には、なんとかします…とつぶやきつつ、ワイン片手に10通ほどのメールに返信をする。
多田塾合宿での夢のような日々がもう遠い昔のことのようである。
たしか二年前にも同じようなことを書いたような気がするけれど、発作的に不良債権化しているバックオーダーについては、すべて忘れてしまうことにした。
おそらくそのうち編集者諸君も配置転換とか定年退職とか家庭不和とか諸般の事情によってウチダ本の企画など忘れてしまう日がくるであろう。
とりあえず私は忘れてしまうことにした。みなさんも忘れてください。その方が、双方の健康にとってよろしいのではないでしょうか、少なくとも私の健康には。
白石さんからメールが来て、『死と身体』が3000部増刷になりましたという連絡をいただく。増刷までの医学書院の最速記録を更新したそうである。
『他者と死者』も刊行されたようである(合宿に行っていたので、宅急便の不在通知を二通みただけだけど)。
山本浩二画伯のかっこいい装幀がどんな本に仕上がったのか楽しみである。
これだけ仕事してるんだから、「もっと書け」というのは酷ですよ、ほんとに。
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(2004-10-12 22:42)