ねむいよお

2004-09-17 vendredi

ね、ねむい。
しかし、まるで眠れない。
15日の午前8時に関空に着いた後、まるで眠れず。二回短い仮眠を取ったけれど、そのつど電話で起こされる。
夜になってベッドに入っても、まったく眠れない。午前3時に起き出してしかたなく朝ご飯を炊いて食べる。
納豆、生卵、お豆腐とわかめのみそ汁、浅漬け。
美味しい。
満腹の勢いで午前5時に再度睡眠に挑戦。今度はうまく眠りにつく。
午前9時にめざましでたたき起こされた、ほとんど半睡状態で大学へ。
なぜかこんな日に教職員健康診断なのである。
ぼーっとしたまま健康診断を受け、事務室のメールボックスにたまったDMを紙袋に詰め込み、合宿用のもろもろの道具を合気道部の部室と体育館のロッカーから車に積み込む。
家に戻ってシャワーを浴びて、二度寝を試みるが、30分置き四本の電話にそのつどたたき起こされる。
昼間寝るというのには根本的に無理がありそうだ。
あきらめて起き出して仕事。
ろくに寝てないので、目がずきずきする。
メールをチェックすると、『インターネット持仏堂』の最後の原稿(8月24日に出発間際に書き飛ばしたやつ)をフジモトさんに送信していなかったことが発覚(フジモトさん怒髪天を衝く状態)。
青くなって送信。
岩波書店の『応用倫理学講座』の「セックスワーク論」の再校をして、そのまま投函。
引き続き『現代思想のパフォーマンス』の校正。
夕方、朝日新聞の取材。
睡眠不足で目が赤く、頬はふくれ、顔に斑点が浮いている状態なのに、顔写真をばしばし撮られる。
カメラは一年ほど前に岡田山ロッジで合気道の写真を撮っていただいたT本さんという女性。いままででいちばんいい男に撮ってくれたカメラマン(PC的にはカメラパースンつうの?)なので、お願いだからデジカメのデータ修正して男前になおしておいてねと懇願する。
寝不足ハイで何を言っているのかわからないまましゃべり続け、つづいてRe-setに会場を移す。
「神戸の哲学バーでたまたま立ち寄った近隣の若者たちに道を説くウチダ先生」というヤラセ映像を作成するためである。
もちろんそんなに都合良く「たまたま立ち寄ってウチダを敬慕のマナザシで見上げる青年たち」などというものがあつらえられるわけもない。パリでその撮影趣旨をうかがったおりに、「そんな都合よくはいきません」と申し上げたのであるが、そういう絵柄がどうしても欲しかったらしく、朝日のK林記者は『ミーツ』の江編集長に相談。江編集長は私の担当だった大迫くんに「エキストラ召集」を指示、大迫くんがウッキーへ、ウッキーから合気道部つながりS津さんへ、S津さんからゼミつながりで「酒好き・小西真奈美似」のS々木さんへと電話が回り、Re-setに到着するとなんと四名の「近隣の青年たち」が目をきらきらさせていたのである。
途中からIT秘書イワモトくんも登場して、結局12時近くまでK林記者を囲んで、「新聞メディアに明日はあるのか」暴走トーク(内容が漏洩すると、取材費が経費で落ちなくなる可能性があるのでとくに秘す)。
結局5時間半にわたるロングインタビューとなった。K林さん、お疲れさまでした。あれだけのおしゃべりをまとめるのはほとんど拷問だろうなあ。
家に戻って午前1時にベッドに入る。
午前5時にぱっちり目が覚める。
しかたなく起き出して、村上春樹の新作『アフターダーク』を読む。
今日の午後、『AERA』の取材があって、その話をすることになっているので、泥縄である。
睡眠時間は15日が6時間、16日が4時間。
いつもは9時間眠るわたくしがこのような睡眠時間で生きていけるのであろうか。
明日から合気道の合宿。
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