北海道で会いましょう

2004-08-12 jeudi

新横浜でるんちゃんと待ち合わせをして、「シウマイ弁当」を食べながら、三日ぶりに芦屋に戻る。
新幹線の中でるんちゃんから「我々」というバンドのCDを聴かせてもらう。
これはるんちゃんがイベントで知り合った方々であるのだが、そのバンドのドラムをしている金髪赤サングラスのおじさんが「キミ、ウチダるんちゃんなの? お父さんにこのあいだ連載頼んだら、断られちゃったよ」と話しかけてきたそうである。
このエディター兼務のドラマーは『ふ○ん○』編集部のS山くんであることが判明。
世間は狭い。
さっそくCDを聴かせてもらう。
「諦念共和国国家」と「サンリューライター」ではS山くんがリードヴォーカルを取っている。
すごい。
一度聴いたら二度と忘れられそうもないリフレイン。
「お父さん、S山さんと会うことある?」
「こんど北海道で学会があるからね。もしH水社のブースにS山くんがいたら、耳元で『国家』を歌ってやるよ」
北海道の学会には行かないつもりだったけれど、京大の吉田くんのお招きでワークショップに出ることになった。
学会には編集委員を辞めてから一度も行っていない。
委員のときに8回連続で学会発表を聴いて、気が狂いそうになってしまったからである(あまりにつまらなくて)。
確か四国での学会の後、よろよろと分科会会場から転がり出て、「仏文はもうおしまじゃ・・・」とうめいたことを覚えている。
若い連中が権威を独占する爺連中に毒づく気概をなくしたら、その業界は「もうおしまい」である。
若い研究者というのは「喧嘩売って、顰蹙買ってナンボ」のもんである。
『レッドオクトーバーを追え』(よい映画である)でショーン・コネリー演じるラミウス艦長が言っているように「小規模の革命がときどき起きるからシステムは健全でいられる」。
爺さんたちに喧嘩売るのはシステムの健全のためなのである。
頼みますよ。ほんとに。
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