ようやく「夏休み」らしくなる。
ゆっくり新聞を読んで、洗濯をして、買い物にでかける。
三宮のジュンク堂でフランス語の会話本を買う。
CD7枚付きで9000円。
25日から3週間フランスに語学研修の付き添いで行くのであるが、私は日常会話の語彙が極端に少ない。
ゴキブリとかオタマとか鼻毛とか爪切りとか団扇とか、そういう単語を知らない。
知っているのは「先験的主観性」とか「それが意味することの取り消しを求めるシニフィアン」とか、そういうのばかり。
条件法過去完了や接続法の活用形もよく知っているのだが、そんなものはふつうのフランス人もよく知らないので、知っていてもしかたがない。
しかたがないので、「日常でよく使うフレーズ」を8時間分集めたCDを購入してきたのである。これを浴びるように聴いて、「フランス人なら誰でも言いそうなストックフレーズ」を無意識的に反復できるようにするのである。
こういうのはある意味でそのまま先方の「ものの考え方」まで刷り込まれることになって、洗脳みたいなもので、あまり好きじゃないのであるが、業務上これくらいは我慢しないと。
ついでにジュンク堂でマンガを大量に購入。
池上遼一の『スパイダーマン』の書評を朝日新聞で読んで、懐かしくなったので、探したらちゃんとあった。全五巻を購入。
池上スパイダーマンはまことに暗い。
ねころんでマンガを読んでいたらドクターが「いりこ」と「さわらのみりん干し」とスコッチを携えて来る。
お中元だそうである。
いりこを食べると尿酸値があがるんですけど・・・と「痛風友の会」ならではの会話がある。
そうこうしているうちに日が暮れてきたので、アロハに着替えて、宝塚ホテルに高橋源一郎さんのお出迎えにゆく。
2日から5日まで集中講義。
こんどの集中講義は録音編集して、総文叢書の第三弾として冬弓舎から出版する予定であることは既報の通り。
福岡競馬から飛行機で来た高橋さんを出迎えて、軽く和食で一杯。
育児書の話、中島らもの死の話から(中島らもは高橋さんの灘での2年後輩に当たる)、脳内のケミカル組成ががらりと変わる「ライターズ・ハイ」の高揚感、さらには「うなぎ(@村上春樹)=中間的なもの(@モーリス・ブランショ)説」などについて専門的なご意見を伺う。
高橋さんはこのあと朝までに太宰の『御伽草子』の文庫本の解説を書かないといけないそうなので、早々においとまする。
さて、月曜からの講義が楽しみだ。
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(2004-08-02 09:01)