今日も熱いぜ

2004-07-16 vendredi

文献ゼミの試験が終わって、これで学校はおしまい。
来週からは集中講義で、それが終わると夏休みだ。
やれやれ。
出版企画委員会に呼ばれて「高橋源一郎本」の企画と進行状況はどうなっておるのかと訊ねられる。
「高橋さんと会ってから相談します。ははは、出たとこ勝負ですよ」と笑って受け流したが、内心私もちょっぴり不安。だいじょうぶかしら。
いちおうの心づもりでは、高橋さんが講義してくださる日本文学史のメインのお話は別の出版社から出るはずなので、それとかぶらないような、周辺のお話を拾って一冊にしようというものである。
つまり、あちらが「表本」なら、女学院ヴァージョンは「裏本」。
両方併せて読むといろいろなことがわかる、という仕掛けにしておけば、全国の高橋源一郎ファンがあらそって女学院本を買ってくれるはずである。
編集コストを冬弓舎の内浦くんに少し引いてもらって、その分印税で戻してもらうことを画策している。
もともと学科の出版助成予算は「売れない本の支援」のためのものであって、本が売れて印税が大学経理に戻入される可能性というものを想定していない。
しかし、実際には総文叢書の第一弾『知の贈り物』はけっこう売れてしまい、重版となってからは印税収入が発生して、大学経理へお金が環流したのである。
高橋本の売り上げはそれの比ではあるまい。
五万部、十万部という売り上げだって夢ではない。
となると、経理課には印税の戻入がざくざく・・・ということになると、
「おおこの財政難の時代にお金を稼いで送金してくれるとは、なんと親孝行な総文の教師たちであろう!」
というようなフレンドリーなことばが理事会から頂けるのも夢ではない。
残念ながら、学内的諸事情によって、理事会のみなさんが出版企画の委員長石川先生(理事会と熱く戦う元・組合執行委員長)とウチダ(理事会改革をうるさく呼号する現・自己評価委員長)に対してフレンドリーにしてくださる可能性はあまり期待できないのであるが・・・
委員会のあとは教授会。
何もなければ、途中で抜け出して京都まで加藤典洋さんの桑原武夫賞の受賞パーティにでかけるつもりでいたのだが、人事教授会でいささか聞き捨てならぬ論件が議題にのぼる。
黙って原案のまま採決に持ち込み、そのままソッコーで山を下りて新快速に乗れば、ぎりぎりでパーティの途中くらいには間に合う時間なのだが、どうにも我慢しきれず挙手して発言を求めてしまう。
案の定、私の不穏当なる発言がきっかけで教授会はいささか険悪な雰囲気となり、こちらも言い出した手前、引っ込みがつかなくなった。
結局、採決で私の動議とそれをサポートしてくれた松田先生の修正案が採択されたのであるが、パーティはもう無理である。
加藤さん、ごめんなさい。
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