台風なので原稿でも書くか

2004-06-21 lundi

台風が来たので大学が全日休講となる。
今日は会議が一つと杖の稽古の予定だったが、どちらも中止。
やれやれこれで一日仕事ができる。
窓の外ですさまじい風が吹くのを聴きながら、急ぎの原稿を片づける。

毎日新聞に今月4回連載のエッセイ1000字(これでおしまい)。

ドムナックの『構造主義とは何か』が平凡社ライブラリーから復刻されるので、その解説を20枚ほど(10枚でいいと言われていたのだけれど、どうしても書きすぎてしまう)。

メールで送稿すると、折り返し二つ原稿依頼が来ている。

一つは「カミュ論」の新書書き下ろし。
たいへんありがたいお申し出だし、「今こそカミュ再評価が必要だ」編集者の熱意もびしびし伝わってくるのだが、いかんせん今の私には新しい仕事を受け付ける余力がない。
泣く泣くお断りする。

もう一つは『ユリイカ』から。
「はっぴいえんど」特集に大瀧詠一論を20枚というオッファー。
この特集は増田聡くんが企画に参加していて、増田くんから「大瀧詠一ならウチダさんが大ファンですよ」という情報が提供されたようである。
大瀧詠一については言いたいことが山のようにあるし、大恩ある増田くんからの仕事では、お断りできるはずもない。

でも、こうやって無節操に仕事をふやしていってよいのだろうか。
いま同時並行的にやっている本だけで

『他者と死者』(初校ゲラを校正中に、「終章」を全面的に書き直したいという欲求にかられて脂汗を流しているところ)
『医学書院本』(「まえがき」を書いたらおしまいなんだけれど、これがどんどん長くなって、いっこうに終わらない)
『東京ファイティングキッズ』(これは「あとがき」を書いているところで、あと少しで完成)
『インターネット持仏堂』(最後の「締め」の対談をすればおしまいなのだが・・・)
『Right time right place 』(池上先生との対談本、途中までのゲラが来たのだけれど、とても読む時間がなくて・・・)

と五冊がペンディングのまま。
その他に『現代思想のパフォーマンス』と『ちくまの子どもむけ新書』はどちらもたしかに8月に原稿を渡すと約束したような気がする(書く時間があるのか?)
果たして私は生きて夏休みを迎えることができるのであろうか。

個人的連絡:
N橋T子さんへ
どうも病気見舞いのお礼が遅れて申し訳ありません。
宅急便を頂いたあと「誰なんだろう、この人は・・・」と考えて、お礼状をどう書いてよいのか書きそびれておりましたら、さきほど袋の奥にお手紙があるのを発見。
葉柳さんといっしょに北野のフレンチに行ったことを思い出しました。どうもすみません。
誰かわからぬ相手にお礼状を書くべく住所を書いた紙を引きはがしてどこかに貼っておいたのですが、呆然と日々を送っているうちにそれもどこかへ失踪してしまいました。
まことに失礼をいたしました。
さぞ非人情なやつだとお思いでしょうが、単に物忘れが激しいだけなのでご海容ください。
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