ようやく晴れた。
私は「お天気病み」なので、雨が降って気圧が下がると「ぐだっ」となってしまって、家から一歩も出ないでごろごろして、何をする気も起らないが、今日はすかっと晴れているので、なんとなく朝から気分がうきうきしている。
医学書院のための「まえがき」を書く。
夢の話や『マクベス』の話を書いているうちに、何がなんだか分らなくなってきた。
書いている私自身が「何を書いているのか分らない」というのは、私自身の思考がある種のブレークスルーを経験しつつあるということである。
本人としてはもちろん愉しい経験なのだが、書かれていることを読み返すと、書いている本人にもよく理路がたどれない。
誰も言っていないようなことを書かないと、書く意味はない。
誰にでも分るように書かないと、やはり書く意味がない。
誰も言っていないようなことを、誰にでも分るように書くというのはまことに至難の技である。
昨日から芦屋駅前で政党の宣伝カーがうるさくなってきた。
参院選が近いせいだ。
英国では統一地方選でブレア首相率いる労働党が「歴史的敗北」を喫して自由党にも破れて第三党に転落したらしい。イラク派兵に対する英国民の批判票らしい。
参院選はどうなるのだろう。
これから一ヶ月の間に、もし中東の軍事情勢に劇的な変化があった場合、参院選で与党が「歴史的敗北」を喫する可能性もある。
中東でのテロ一つで日本国内の政局が一変しかねない。こんなかたちで国際外交と内政がここまで深くリンクしたのはおそらく戦後はじめてのことだろう。
非常に予測のむずかしい政治的ファクターにどんどんカードを「張り込む」ことによって、結果的に政治状況に対する主体的なコントロールを失い始めたことの意味を当の政治家たちはどれくらい自覚しているのだろうか。
彼らを見ていると、日本の政治家もこんなリスキーなゲームをするんだから、「国際政治のプレイヤー」として熟練してきたな、というような印象がどうしてもしない。
むしろ、もうこの先どうなるか分らないんだから、自己決定できる範囲をどんどん狭くして、「袋小路」に突入しよう。そうすれば少なくとも、どちらに行くか迷わずにすむ・・・というような幼児的な判断放棄の雰囲気をふと感知してしまう。
国際政治の用語で「デインジャー」というのは「統御不能の危機」のことであり、「リスク」というのは「管理可能な危機」のことである。
政治の要諦は畢竟するところ「デインジャー」を「リスク」に繰り込むことにある。
しかし、いまの日本の政治を見ていると、むしろその逆に「今ならまだコントロール可能なリスク」を「このままではコントロール不能になる可能性のあるデインジャー」に書き換えているように見える。
アメリカの世界戦略に対するコミットメントも、持続性のない年金法案も、三菱のリコール隠しも、整備新幹線も、道路公団民営化も出生率のデータ隠しも・・・リスクを「リスク」として認知し、その責任を引き受けることを回避し、リスキーな問題を「こんなもの、たいしたことないよ」と先送りにすることで一層コントロール困難なものに押しやるように、日本社会全体が合意したように見える。
業務連絡
光岡英稔先生の韓式意拳講習会の詳細
(1)とき:6月19日正午より午後5時
(2)場所:神戸女学院大学・大学体育館(地図は下のURLでごらんください)
(現地へのアクセス)http://www.kobe-c.ac.jp/kotu.htm
(学内マップ)http://www.kobe-c.ac.jp/campus_map.htm (マップの16番「体育館」というのが会場です)
(3)会費:講習料2000円(当日、受付にてお支払い下さい)
(4)服装:運動ができる服装でおいで下さい。武道の道衣でも結構ですし、体操服でも結構です。体育館は土足では入れませんので、必要な方は上履きをご用意下さい。
(5)ビデオ撮影、写真撮影、録音などをされる方は受講者の集中を妨げないようにご配慮下さい。また、講習内容によっては、光岡先生から「オフレコ」の指示が出る場合もありますので、その場合は撮影録音をお控え下さい。
(6)男性用の更衣室のスペースが足りませんので、男性の方は体育館でお着替え願うことになります(女子更衣室はちゃんとあります)。
(7)講習会終了後、西宮北口の「民芸ふじや」において光岡先生を囲んでの懇親会を行います。会費3000円(予定)です。講習会受付のときにお申し込み下さい。
(8)その他、当日の詳細につきましては、内田宛メールでお問い合わせ下さい。uchida@tatsuru.com
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(2004-06-13 14:44)