合気道のお稽古のときに鵜野先生から広島の生牡蠣を大量に頂いた。
殻付きの生牡蠣であるから、即日食さねばならないが、とても私ひとりで食べられる量ではない。
「牡蠣宴会」というものをただちに緊急招集。
さいわい先日、光安さんにいただいた Don Perignon と渡邊さんに頂いたドイツワインと田岡さんに頂いたフランスワインが家にある。
緊急招集に応じてご来駕されたのはドクター佐藤、IT秘書イワモト君、石田くん、谷口さん。
男子禁制の「シングルベル」の向こうを張ってメンズオンリーの stag party である。
ウチダの家の宴会で「男子だけ」というのはたいへんに珍しい。それだけ合気道の門人に男子が増えてきたということであり、慶賀の至りである。
午後7時に、パン、チーズなどを持参して、みなさん定刻に結集。
ウチダはパスタとサラダをご用意する。
さっそくレモンをかけた生牡蠣に冷やしたドンペリで乾杯。
生牡蠣の鮮烈な潮の香りと喉を切り裂くようなドンペリの味わい。
5人とも「あああ」と声にもならぬうめきを上げて、しばらく絶句。
20個あった生牡蠣がカルシウム分だけを残して地上から消滅するまで3分とかからなかった。
「レストランで食べたら、牡蠣とシャンペンだけで一人一万はいくな」
などとせこいことを言いながら、ぱくぱくとご飯を食べ、ぐいぐいとワインを飲み、ひたすら合気道について語り続ける。
そのうちに小津安二郎がいかに偉大なフィルムメーカーであるかという話になり、突然『秋刀魚の味』のビデオが取り出され、緊急映画鑑賞会となる。
小津の独特のカメラワークやせりふ回しの実例をご覧いただくつもりで「じゃあ、加東大介が出てくるあたりまで見ようか」と言って見始めたが、見始めるともう止まらない。
結局最後まで笑い転げながら見てしまった。
小津の全作品DVDは25日にまとめてアマゾンから到着する予定である。
だから年末年始はひたすらホットカーペットの上に寝ころんで、ワインを飲みながら、小津映画を見るのである。
これはウチダにとって「想像しうる至福の休日の過ごし方」なのである。
その前に、年賀状とすす払いをすませないといけないな。火曜日からはまずお掃除だ。
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(2003-12-20 00:00)