12月8日

2003-12-08 lundi

ゼミの卒業生たちが遊びに来る。
五年生のマスモトとOL一年生のながもっちゃん、ウェス、マキちゃん。
先日新宿で食べた豆乳鍋を試行しようと考えたのだが、まだ一度も家ではやってないので、一度実験してから、ということにして、とりあえず先般山本浩二画伯に教わって、それから二度自分でも作った「ほうれん草と豚肉の鍋」にする。
鍋に酒と味醂をおたまに一杯ずつ入れて、あとは煮るだけ。
たれは生醤油と大量のおろし生姜。
このシンプルさが素材のおいしさを引き出して、トレビヤンなのである。
お歳暮にいただいた〆張鶴の大吟醸をくいくいと頂きながら、鍋をむさぼり食う。
話はたちまちみなさまの恋愛物語となる(当然の流れだな)。
これはいくら聞いても飽きるということがない。
今回は、できあいの「いい男」を探してはならない。素材のよさそうな原石を探してきて、あとは諸君が自ら手塩にかけて「いい男」に育て上げるのである、という説教を垂れる。
男の価値を決めるのはアチーブメントではなく、可塑性である。
なまじな「オレなりのこだわりつうの」とか「オレ的には」みたいなスカをつかんではならぬ。
「底抜け」openended 男というのが、実はたいへん使い勝手がよろしく、また「大化け」の可能性を蔵してもいるのである。
それは恋愛においてもビジネスにおいても変わらない。
とりあえずは

(1)何でも美味しそうに食べる
(2)どこでもくーすか寝る
(3)人にものを上げるのが好き

という条件を満たしている男なら、原石としてはかなり上等だ。
(1)と(2)は「リソースには限界がある」ということを知っているということであり、(3)はその「限りあるリソースを自分は独占しない」という生き方をしているということである。
(1)と(2)は「生物としての人間」の生存戦略上の要諦であり、(3)は「人間としての人間」の本質である。
学歴だとか年収だとかせこい条件で探していては、いい男はみつからんぞ。
諸君の健闘を祈る。
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