9月22日

2003-09-22 lundi

合気道の合宿が無事終了。
13日の午後に関空を出てから、ようやく10日ぶりに家に落ち着く。
合宿は恒例の神鍋高原の名色高原ホテル新館。今年もわれわれの団体貸し切りである。
ここを合宿所に定めてすでに7年。年二回だから13回目になる。
今年は、主将ウッキーの趣味で「体育会系合宿」というコンセプトで実施された。
さすが体育会系だけあって、まことに万端遺漏のない、手際のよさであった。(ウッキーごくろうさま)
しかし、多くの諸君がその中にあって依然として「宴会系合宿」というコンセプトを死守されていたのもまたまことに頼もしい風景であったと言わねばならない。

合宿を毎年同じ場所でやると、今年は誰がいて、誰がいないのか、ということがよく分かる。
今年は矢部くんもかなぴょんもおいちゃんも飯田先生もえぐっちもゴンちゃんもいない。
北澤さんも高雄くんもいない。
その代わりにめったやらたらに元気な一年生が5人いる。
「芦屋系」と称されるたいへん熱心な「お兄さんとおじさんのデリケートな境界線上の諸君」もいる。
人は来たり、人は去る。
7年間全日程皆勤はついに私ひとりとなってしまった。
そういうものなのよね。
やがてあの元気な一年生たちも幹部となり、卒業式でおいおい泣きながら、後輩たちに「合気道部の伝統を受け継いでね」と檄を飛ばすようになるのであろう。
ううむ。
などとしみじみ思いつつ、朝来の黒豆ソフトを食べる。
鏡を見ると、ウチダもめっきり鬢の白髪が目立つようになった。
私があとここにこられるのも何回であろうか・・・と播但道の秋の青空を見上げながら考える。

合宿ではしばしば新しい段位発行団体が新設されるのであるが、雨後の竹の子のように叢生する泡沫団体の中にあって、なお今日に存続して盛名をとどめているのは、かなぴょんを「宗家」とする全魔連(全世界魔女連盟)と、えぐっちを「家元」とする全駄連(全日本駄洒落連合会)の二団体のみである。
今回は両家元とも不参加であったために、合宿で飛び交う「段位認定」の嵐が見られず、いささか寂しい思いをかこっていたのであるが、ここにその空隙を補填すべく、ウチダを家元とする新団体、宗教法人「邪道」が発足したことは近年まれなる慶事としなければならない。
「邪道」は日常の所作のなか、善男善女の心のうちにふと萌すよこしまなる言動に対して段級を認定するものであり、「作為なき悪意」、「汚れなき邪心」の人間的価値を顕彰することを本旨とするものである。
「邪道」の段級は申請手続きを要さず、単にウチダが「邪道初段!」というふうに、その言動を格付けすることによって、本人の同意抜きに自動的に授与される。
今回の合宿では「汚れなき悪意」を連発したウッキーに(とくに「タオルわざ」の鮮やかさへの評価が高く)「邪道三段」が授与された。
杖道の稽古中の傍若無人の態度に対してセトッチには「邪道二段」が、また森川副将への安眠妨害工作にたいして一年生全員に「邪道1級」が授与されたことも付け加えておきたい。
さらに邪道十段位、邪道師範号、邪王、邪帝、邪神など、さまざまな格付けを今後随時発行する予定であるので、会員諸君は今後とも鋭意ソフィスティケートされた「邪悪な言動」の錬磨にこれ勉めて頂きたいと思う。

なお、今回の合宿には三軸自在の三宅先生から「アクエリアス50本」の差し入れがあった。
2リットルのペットボトルにみんな名前を書いて「マイアクエリアス」をごくごく飲んでいた。
三宅先生ありがとうございました。
お礼の電話を入れたら、次の合宿は何を差し入れしましょうか、というおたずねがあった。
差し入れをほんとうにお願いしたいのは「三宅先生」である。
稽古のあとに全員「まぐろ」になって三宅先生に三軸修正をしてもらい、そのまま「がぴー」と寝込んでしまうのである。
うう、想像するだけで極楽だぜ。