9時半まで二人とも爆睡。
昨日少し日に灼きすぎたようである。海岸で昼寝している1時間、足を出していたので、両足が腫れ上がって痛いので、濡らしたタオルで冷やしながら寝る。
兄ちゃんは平均睡眠時間がふだん5,6時間。私は8時間から9時間、寝るときは10時間以上であるので、ここに両者の睡眠帯のタイムラグというものが生じる。
「よく寝るなー」と兄ちゃんは非難がましいまなざしで告げるけれど、いいじゃん、バカンスなんだからさ。
マウイでは午前中が海が穏やかで、午後になると西からの貿易風が強くなって波頭が白く立つ。だからシュノーケリングは昼前の方が安全である。岩に波でたたきつけられると、触れたところがすぱすぱ切れてしまうのである。
南側の岩場が水族館状態である。
「私が熱帯魚です!」とはげしく自己主張する小魚たちがぐいぐい泳いでいるので、その連中のあとを追っかけたり、波に身を任せてぽわんとしている。
ひとしきり泳いでから、サンシェードの下の寝椅子にごろんと横になって『魔の山』の続きを読む。ハンス・カストルプ君のいるダヴォスの山中は吹雪とクリスマスである。
「ハワイ生まれの哲学者」というのがいるかどうか私は寡聞にして知らないけれど、形而上学的思索にあまり適切でない風土というものがあることは確かである。
ハワイ大学に一年留学するのも悪くないような気がしてきた。
(2003-09-17 00:00)