5月25日

2003-05-25 dimanche

24日土曜日は合気道家の年に一度の「お祭り」である第41回全日本合気道演武大会。
神戸女学院合気道会は、ウッキー、溝口さん、かなぴょん、クー、おいちゃん、岸田さん、森川さん、ドクター佐藤の9名で参加。
私は会場が日比谷公会堂から日本武道館に移った最初の年1977年から演武大会に参加しており、今年が27回目となる。
最初の年は参加者が2000人と発表されたかに記憶しているが、今年は6700名の演武者が集まった(いまや世界84カ国、150万人が合気道をお稽古しているのである、すごいね)。この中で27回連続参加という「皆勤賞」の人はそれほど多くはいないはずである。
ウチダは一度始めたことはなかなかやめない、まことにしつこい性格であることがこの一事からも伺われる。

多田先生、道主の演武を続けて見て、すっかり気分が高揚したところで、演武会後恒例の九段会館屋上での多田塾ビアパーティ。
今年は国際気の錬磨の一週後なので、イタリア合気会、スイス合気会の諸君も多数ごいっしょである。
山田先輩、小堀さん、大田さんといった自由が丘道場の懐かしい面々と歓談。北総のパトリック・キアナン君が隣席だったので自己紹介。(前から「感じのいい人だなあ」と思っていたので、いつかお友だちになりたかったのである)
稲門のみなさん(梶浦さん拙著お買い上げありがとうございました!)気錬会の諸君とさらにわいわい歓談。イタリア合気会のみなさんが「フニクリフニクラ」を歌い、それに応じて早稲田の諸君が主将西尾君の音頭で「伝統芸」の『人生劇場』で座を盛り上げる。
ところが東大気錬会には「芸がない」。(神戸女学院も決して芸人には事欠かないのであるが、惜しむらくはビアガーデン向きの芸風ではないのでご遠慮させて頂いている)
工藤くんが「うう、口惜しい。ウチダ先生! 来年は芸で早稲田をあっと言わせてやりましょう」と力んでいたけれど、そんなこと私に言われてもね。
多田先生にご挨拶。
先日『私の身体は頭がいい』をお送りしていたので、本についてどうおっしゃるかどきどきしていたのである。(「ウチダ君、ああいう書き方はちょっと・・・」と言われたらどうしようと、内心非常に心配していたのである)
「あ、ウチダくん、本、ありがとう(にこっ)」
という先生の笑顔で拙著が多田先生的には「セーフ」だったことが知れた。ほっ。(あとで工藤くんに聞いたら、けっこう先生はあの本が気に入っていらしたようである。よかったー)
二次会は神田すずらん通りの居酒屋に気錬会の諸君と雪崩れ込み、痛飲清談。

翌25日は駒場で気錬会との合同稽古。
井上「王子」幸一主将が前半を指導し、私が後半を指導させて頂く。
せっかくの機会であるので、最近の武術的な「気づき」である「ファーストコンタクトにおける身体情報の最小化理論」(by courtesy of 甲野善紀先生)と「プレセッションを利用した三軸自在合気道」(by courtesy of 三宅安道先生)を「気の錬磨を主軸にすえた身体技法」としてご報告する。
気錬会の諸君はこういう「理屈っぽい合気道」が絶対好きだろうと予測していたのであるが、案の定、ファーストコンタクト時に「浮き」をかける呼吸法や、三軸自在入身投げや、接点最小化小手返しをたいへん熱心にお稽古されている。
受けは「気錬会の至宝」工藤俊亮三段にお願いする。
工藤くんはたいへんに気の感応がよいので、こちらのやりたいことが「ぴっ」と伝わって、まことに気分がよろしい。
ああ、愉しかった。
稽古後、気錬会の諸君とお昼をいっしょに食べて、渋谷駅で名残を惜しみつつお別れする。
今回の合同稽古を企画してくださった気錬会のみなさまに心からお礼申し上げます。もともと三月の「多田塾研修会のあとに生ビールを飲む会」でいきなり出た話だったんだけれど、気錬会の井上主将はじめみなさまの奔走のおかげで実に愉快なイベントになりました。また機会があったら早稲田もまじえてやりましょう。