4月5日

2003-04-05 samedi

ゼミの卒業生小野田聡子さんの結婚式に呼ばれて神戸オークラホテルへ。
小野田さんは99年のご卒業。
ご父君はかつて女学院でフランス語の非常勤講師をしていただいたこともある詩人の小野田節夫先生。
聡子さんはお父上譲りのフランス語上手で、卒業後、関学の大学院で語学の研究を続けられたのであるが、今般、岡山大学の医局にいる整形外科医の三輪啓之さん(実に好青年)とご縁が整って華燭の典を迎えられたのである。
私のお隣は主賓で関学の仏文の中谷拓士先生。それに関学の院生たちと新婦の親戚の洒脱な紳士である柳川氏と気さくなご令室。ワインをごくごく飲みながら、愉快な会食のときを過ごした。
中谷先生からは19世紀のシャンフルーリーという文士についてのお話をご教示を頂き、たいへん勉強になった。(ウチダは異業種の人の話を聞くのが大好きなのである。でも、仏文学者と話していて「異業種の話」で興じたというのは、ちょっと問題かも)
いつもはふざけてばかりいるウチダであるが、今回はまじめな顔でご祝辞を申し上げる。
私の「結婚式におけるスピーチ」の理想型は『彼岸花』の佐分利信である。
「型どおり」のスピーチで、さざめくような静かな笑いのうちにきちっと締めるという技は、ある程度年を取らないと、格好がつかない。ウチダもだんだん年回りが近くなってきたので、理想に近づくべくさらに研鑽を積む所存である。

次は誰の結婚式に呼んでいただけるのであろうか。
新郎新婦はどうかお幸せに。