1月26日

2003-01-26 dimanche

休みが続くので、ハイペースで原稿書きを続ける。
まず角川書店の『疲れすぎて眠れぬ夜のために』(For a hard day's sleepless night) を脱稿。そのままメールで送稿。
とりあえず「一丁上がり!」
本は4月に出るそうである。(装幀は例によって山本画伯)
毎晩ワイン片手にでれでれ酔っぱらいながら書いたものなので、何を書いたのかよく覚えていない。でも、通読してみたら、支離滅裂ながら不思議なグルーヴ感があって、なかなかノリがよい。そうか、オレは酔っぱらっているときってこういう話し方するのか、と腑に落ちた。
これは20代30代の「働く若者」のための「就眠儀式本」である。
今日も一日仕事に疲れたあなた(ゴンちゃん、君のことだよ)、寝る前に10頁ずつ読むといいよ。「ま、どーでもいーか」というお気楽な気分になって安眠をお約束だ。
同じ頃に『ため倫』の角川文庫版も出るはず。(こちらも山本画伯)

次に龍谷大学での講演のために「レヴィナスとラカン」の続きを書く。
これもぼちぼち200枚。「他者論」を書き上げれば完成である。
『身体論』(新曜社)と『時評集』(洋泉社)と『映画の構造分析』(晶文社)をぱたぱたとこの休みのあいだに書き上げてしまえば、おおなんと今年は春先に5冊完成ということになる。(あとはレヴィナスの翻訳だけに専念して、心静かな半年を過ごすことができる)
出版社サイドとしては、同時期に同じ著者の本が複数出ることは必ずしも売り上げ増にはつながらないので(ふつういっぺんに同じ著者の本を5冊買うやつはいないからね)、あまりうれしくないだろうが、こっちだって不良在庫22冊を片づけないと、にっちもさっちもゆかない明日なき身の上である。出版社の営業事情にご配慮している余裕はない。

夕方になったので、仕事を止めて、『疲れすぎて・・・』の脱稿祝いに三宮の大丸にコートを買いにでかける。念願のアカスキュータムの黒いカシミヤ混紡コートである。清水の舞台から飛び降りる気持ちで値札をめくったら、ライセンス生産の国産品で、予定の半額だったので、ほ。
ひさしぶりに元町のラジャでカレーを食す。かつてバブルのころは門前に列をなしていたラジャも閑散としていて、午後7時に客一組。でも相変わらずタンドリ・チキンと海老カレーは美味しい。
満腹して、家でウィスキー片手に「『アリー・マイ・ラブ』を第一シリーズから全部見る」プログラムの三日目に入る。これって、かなり病みつきになりそうだ。
いまのところ、個人的にはリチャード・フイッシュ君のキャラが好きかな。組織というものは中枢にはああいう「空虚なタイプ」がいないと成立しない。そして「空虚なキャラ」は自分の機能を実はよく知っていて、それを意図的に演じてもいるのである。だからけっこう人間が深いのよ。