12月21日

2002-12-21 samedi

合気道会の納会。
納会前のお稽古、ふだんは開始時刻には二三人しか来ていないで、途中から五月雨式に登場するのであるが、今日はなんだかやたら多い。途中で数えたら、25人。
気錬会のPちゃん、街レヴィ・武闘派の橘さん、教育大の原君、深草君という芦屋地元の日笠さんという常連に、京大の赤星君、新人の阪大の佐藤さんと「男子組」もずいぶん人数が多くなってきた。男子は松田高志先生一人だけと時代を思うと隔世の感がある。
稽古では最近凝っている「站椿功」を稽古に取り入れたり、いろいろ怪しいことをしてみる。稽古では次々と新奇なことを思いつくので、すぐに時間が来てしまう。
先週の多田塾研修会では、多田先生が「わざの伸びと冴え」ということをずいぶん力説されていた。
「伸び」というのはアナログな流動のことだし、「冴え」というのはデジタルな断絶のことである。細かく切れているが連続していて、流れていてすぱっと切れるような動き。
なんだか矛盾しているようにも聞こえる。
頭で考えると、矛盾しているように聞こえるけれど、先生の動きを見ていると「そ、そうか」と身体は納得する。
そういう動きをどうやって出すのか、やはり呼吸や練功で身体を練ってゆくということしかいまは思いつかない。とにかく、いろいろ試みてみる。
稽古をされる方たちは私の仮説の「実験台」にされているわけであって、毎回いろいろな新しいことをやらされて、以前一生懸命稽古した技が顧みられないのも、なんだか申し訳ない気もするが、こちらも発展途上ということで、ひとつご海容願いたい。

稽古で一汗かいて、さっそくわが家へ。
前回の学祭打ち上げのときはずいぶん人数が少なくて、ついしみじみ語り合ってしまったが、今回は25名が14畳のリビングにひしめきあう大宴会。
シャンペン、ワインなどをごくごくいただきつつ、11月の甲野先生の講習会ビデオと、内家武学研究会の光岡英稔師範の站椿功やカリ、シラットなどを上映。見終わるころには全員が指先でバランスをとる光岡先生の意拳の不思議な動きの真似をはじめる。この「無反省な乗りの良さ」がわが合気道会の最大の強みである。

前夜が恒例の「シングルベル」で、朝の6時半まで学生諸君は年に一度の「演劇祭」にはげしく打ち興じていたので、会がすすむにつれ、一人また一人ばたばたと眠り込んで行く。
「シングルベル」は男子禁制の「演劇祭」であり、私はときおり漏れ伝え聞くだけで、その現物を見たことがないのであるが(その片鱗は一昨年の私の誕生会で拝見した)、一月以上前から週末ごとに泊まり込みで稽古を重ね、台本がホッチキスで止められないほど厚い芝居を「三本立て」で上演するというのである。
OGたちの今年の出し物は上演時間3時間だったそうである。そんな長い芝居60年代のアンダーグラウンド演劇でもなかなかやらなかった。
今年は午後10時に開演して、三本目が終わったときにはしらじらと夜が明けていたそうである。
まことに活発なお嬢さんたちである。

私も前夜はジャックで、江さん、ベルギーから一時帰国のアジサカコウジ画伯、それに「コミーツ」の学生さんたちと午前二時過ぎまでバトルトークだったので、さすがに10時になると眠くなり、いつもよりだいぶ早くにお開き。
例年は、数人がそのまま泊まり込み、翌日わが家の「煤払い」に参加いただくのであるが、今年はもうすぐ引越ということで「プチ煤払い」を年末にひとりで済ませることにして、泊まり込みはなし。その代わりに引越のときには動員をかけてお手伝いしていただくことにする。
みんなが帰ったあと、お掃除をしているうちにはげしい睡魔に襲われ、そのまま爆睡。