あまりに用が多くて、何が何だか分からない。
いろいろなところから電話やメールやファックスや手紙が来る。
いろいろな人と仕事の打ち合わせや待ち合わせやらをしているらしいが、もうまるで覚えていない。
完全に、記憶容量の限界を超えたようである。
もうこうなったら、記憶喪失のふりをするしかない。
仕事の約束を忘れて、「ウチダのやろー、なめやがって、もう二度と仕事を頼まないからな」というような展開になれば、とりあえず「やれやれ仕事が一つ減った」ということである。
「二度とこの業界で仕事ができないようにしてやる」というようなことになったら、もう一生安泰である。
ここまで自虐的になるのも仕方がない。
いま書かなければいけない原稿が何本あるのかもう数える気がしない。
「ウチダさん、約束ばっかりで一行も書いてないじゃないですか!」という罵倒が近未来的に確実に予想されているものだけで数社ある。
それなのに、ウチダは夜六時以降は仕事をしないで、ウィスキーを呑みながら『日本侠客伝』を見ているのである。
明日は甲野先生の朝日カルチャーセンターの講演に出かけて、名越先生とひさしぶりにお会いする予定なので、きっと「どどど」になるだろうし。翌日は甲野先生と光岡英稔氏の講習会。月曜締め切りの『ミーツ』の原稿を私はいつ書くのであろうか・・・
(2002-11-21 00:00)