いよいよ後期の授業が始まる。
いきなり二日酔い。(前夜誕生日をひとりで祝って、シャンペン、ウィスキー、ビールを飲んで、最後に日本酒で締めたのが敗因)
夏休み後半は涼しくなったので気分がよく一日10時間爆睡していたので、8時間睡眠ではまるで寝不足である。
ふらふらと大学へ。
私の講義時間は「アカデミック・フィフティーン」体制であるから、授業開始のベルがなってから、おもむろにコーヒーなど飲み、いあわせた学長と懇談。10分ほどしてから教場へ向かうが、前期と同じ教室へ行くと、誰もいない。
「あれ? 曜日を間違えたかしら? 明日からだっけ?」
と教務課で訊ねると、別の部屋を教えてくれた。
さっそくテストをやるが、学生たちもぼろぼろである。そりゃそうだ。三ヶ月ぶりのフランス語だからね。私だってフランス語を口にするのは三ヶ月ぶりくらいである。
合気道の合宿にユリさん@横浜が連れてきたフランスの女の子が来たので、ちょっとしゃべったけど「どこから来たの?」「いつまでいるの?」くらいしか言ってないし。
しかしひさしぶりのフランス語の授業は楽しい。
学生諸君もひさしぶりの勉強なので、けっこうまじめにこりこりとノートをとっている。
「半ドン」なので家に戻り、仕事。(校正が同時に三つ来ている)
朝日新聞から「e-メール時評」に「拉致問題について」書いて欲しいという依頼がきているので、ぱらぱらと書く。でも、こういう問題について「世論」と反対のことを書くと、猛然と抗議の電話とか投書とかが朝日に殺到するんだろうな。
というわけで、これはボツになる可能性がある。その場合は本ホームページに掲載しますね。
文春から『寝ながら』が5刷28000部になりました、というご連絡。よく売れるなあ。編集の嶋津さんは「目標5万部」だそうである。
五万部だと印税でBMWが買える。(ジャガーは止めた。このあいだインプレッサの左鼻先を駐車場でバックするときこすってしまったから。私の運転技術は「鼻の長い車」に向かないようである)
テレビマンユニオンからこのあいだのBSでやった荻野アンナさんの『寝ながら』書評のビデオを送ってくれるので見る。なんだかずいぶんほめていただいたので、床を転げ回ってよろこぶ。わんわん。
バイクを飛ばして神戸へ。
薪能に下川宜長先生が出るのである。
台風が接近していたため会場が変更になって、屋内の神戸国際ホールへ。
下川先生は『船弁慶』の前シテ。
先生の声がホールにぴしぴしっと響きわたる。
能楽堂ではなく、こういうホールに置くと、能楽というものがもつ本質的な「呪術性」のようなものが却って際立ってくる。
能楽堂の明かりを落として、ろうそくの灯りだけで上演したら、ほんとに能舞台の上に、「西海にて滅びし平家の一門」の亡霊が浮かび上がってくるだろう。
バイクを飛ばして帰宅。
Four Roses を呑みながら『北の国から』一挙上映シリーズ7夜め。
これがあとまだ5日続く。
(2002-10-01 00:00)