8月11日

2002-08-11 dimanche

甲野善紀(全方位開放系武術家)・名越康文("Around The Border"系精神科医)・飯田祐子(フェミニスト系日本文学者)&ウチダ(お笑い系武道家)の四酔人経綸問答(produced by 内浦亨@冬弓舎)というものが、有馬温泉において挙行された。
午後4時にJR芦屋駅前竹園ホテルに集合。ただちに芦有道路を疾走して有馬温泉へ。
午後6時着予定の名越先生を待ちかねて軽くウォーミングアップ。
名越先生が到着して、とりあえず温泉へ。
湯上がりのビールが回ったところで、トーク・スタート。
3時間かけて夕食を飽食し、さらにシャンペン、ワインなどの酒杯を傾けつつ、トークはがんがん加速。
もともとの企画は『邪悪なものの鎮め方-わしらは怪しい探検隊:霊界篇』と題して、オカルト話を全面展開する予定であったが、話題はあちらへ飛びこちらをさまよい、オフレコ実話の応酬は奇を極めてとどまるところを知らない。
私は途中で睡魔に襲われ、午前3時過ぎにばったり倒れてしまったが、残るみなさん午前6時までオフレコトーク。わずか二時間の睡眠ののち、朝食をとりつつ寝不足気味のハイテンションでがトーク再スタート。
午後1時過ぎに録音機の残り時間6分というところで、甲野先生が「挙句」を詠まれて、録音時間合計10時間のデスマッチ・トーク歌仙は終了した。
そのあとも、昼食に繰り出し、ご飯を食べつつさらに爆笑オフレコトークは続き、午後2時半に解散。
実に連続22時間におよぶ「しゃべり倒し温泉旅行」であった。
いろいろなことを話したけれど、ほぼ全時間、対話は「身体的コミュニケーション」、「物語による自己治癒」、「教育(師弟・親子)」をめぐって展開していた。
考えてみたら、おそらくはそれがこの四人に共通する、もっとも切迫したテーマなのであった。
これほど高い知的大気圧下でことばのやりとりを続けたことは、さすがのウチダも未経験である。
この膨大な録音を内浦さんがどうやって一冊の本にまとめることができるのか、その作業量を考えるだけで頭がくらくらするが、なんとかがんばって年内に出して欲しいものである。
いずれにせよ、「前代未聞の本」となることは間違いないであろう。刮目して待たれよ。