8月5日

2002-08-05 lundi

発作的にマックのパワーブックを購入する。
マックG3がいまいち具合がよろしくないので、修理に来てもらったときに、なんとなく「ぼちぼち買い換えようかな・・・」と口走ったら、その念がそのまま凝固して、現実となってしまった。
パワーブックがあると、休み中や海外からでもホームページの更新ができる。
いまは研究室のG3でアップロードしているので、休み中は長期にわたって更新されないことがある。クラリス・ホームページというソフトでホームページを作っているので、家のウィンドウズマシンからホームページをいじるとなぜか文字化けしてしまう。理由は不明。
マックだとわがパソコン道の師匠であるマック派の次郎先生にインターネットの設定とか、そういう面倒くさいこともお任せできるし。
しかしウインドウズとマックを併用するという人は、非常に少ない。
私のまわりには一人もいない。
なぜなのであろう。
両方使える方が便利だと思うんだけど。
ウィンドウズだけがかかるウィルスが流行ってもマックは無事、ということもあるし。その逆だってあるだろう。
パソコンの使用機種を多様化したほうがいろいろな意味でリスクの分散ができてよいと私は思うのだが、私の意見に同意する人はほとんどいない。
みんなウィンドウズ派かマック派か、どちらかである。
私はなんであれ党派性というものにどうしてもなじむことのできないたちの人間である。

そんなのどっちだっていいじゃないか。
その全方位外向的「どっちだっていいじゃないか」主義を全局面において貫徹するために、ウチダは人の二倍の台数のパソコンを所有しているのである。

研究室にはマックとウィンドウズが並んで置いてある。
どちらで仕事をしようかな・・・というのはその日の気分で決める。
マックはLANにつないであるので、インターネットでの仕事が早い。
でもワープロがしょぼいのと、すぐにフリーズするという難点がある。
ウィンドウズ(EpsonType-FR)はワードとアウトルックが使い易いので、物書き仕事はおもにこちらで片づける。
電話回線でインターネットにつないであるので作動はどんくさいけれど、大学のサーバがダウンしたときも(けっこうよくダウンするのだ)電話回線は生きているから、仕事に支障はない。
キーボードの配列が違うから、困るでしょうという人がいるが、椅子を右から左へごろごろと動かす間に私の身体の「キーボード身体図式」は「マック仕様」から「ウィンドウズ仕様」に一瞬のうちに変化する。
こんなモード変換くらい鼻歌まじりでできないようでは武道の形稽古なんてできやしない。
「多様性の混在」とか「文化的多元主義」とかを唱道されている方が「オレはマックじゃなきゃやだもんね」とか、そういう党派的なことを無反省的に口にされるのはいかがなものか、とウチダは思う。