いそがしい週末。
金曜の夜、教授会終了と同時にどたばたとタクシーを飛ばして新幹線で東京へ。
旅の道連れは飯田先生とウッキー。
さっそく新幹線内を居酒屋化して宴会モードのまま渋谷へ。
日本-チュニジア戦の夜であったので、渋谷の街は真夜中というのに警官隊と大騒ぎする若者たちの群れ。
渋谷の街にこれだけ警官がいるのを見たのは、1970年以来である。
なんとなく既視感にとらわれながらも、若者たちを高揚させるものの質は「ずいぶん違うよなあ」と感慨にふける。
渋谷東武ホテルに投宿して、みんなでビールをのみながらサッカーのニュースを見る。(試合時間のときはちょうど教授会だったのである。一部の先生たちは会議中、机の下で携帯の i モードで試合経過をチェックして、会議中にスコアを回していたらしいが)
雨模様の朝、渋谷から駒場東大前へ。
ひさしぶりの第一体育館で、東京大学気錬会の10周年記念演武会。
ごんちゃん、タカスさんなど、在京メンバーも参加して、たいそうにぎやかなことになった。
演武会後に駒場エミナースにて祝賀会。
植芝守央道主をゲストにお迎えして、ウチダもちんまりと来賓席にすわる。
演武会、祝賀会ともに東大気錬会のエートスがひしひしと伝わってくるじつにフレンドリーなイベントであった。
気錬会は多田先生がわが「掌中の珠」のようにていねいに育ててこられた道場であるが、それと同時に、創立者雑賀さんの底抜けに明るいパーソナリティがすみずみにまでしみ込んだ、ほんとうに愉快で元気な組織である。
こういう若者たちが輩出する限り、日本の未来は安泰である。(前に「東大本郷バリ島化」とか書いたけど、気錬会は「バリ島化」してないからね、だいじょうぶだよ)
土曜は相模原実家泊まり。
兄ちゃんとふたりでぼーっとサッカー観戦。(どうもワールドカップ開催中は「家族の会話」が少なくなるな)
日曜は正午にリクルート本社でインタビュー。
Worksという企業の人事担当者が読んで、これからどういう人間を採用し、育成してゆこうかを考察するための雑誌らしい。(違うかも知れない)
しかし、私は企業の人事担当者というものにあまり好意的な人間ではないので、「日本の企業組織は人を見る目も人を育てる能力もない」毒づくだけである。
しかし、日本の企業組織や官僚組織がこれだけダメなのは人事がなってないからだ、アメリカのグローバリズムは民族誌的奇習にすぎない、日本は遠からず中進国にまで国力を落として行くであろう、とさんざんに悪口を言うにつけ、ふしぎなことにインタビュアーのお二人の顔が(しだいに曇ってゆくと思いきや)しだいに晴れやかになってゆくのであった。
なんだ、みなさんもそう思っていたのか。でも、「それは言ってはいけない約束」なんだね。
インタビューを終えて、走って抜弁天の合気会本部道場へ。
二日連続の多田先生の講習会。
山田、坪井、今崎の諸先輩にご挨拶。
工藤くん、内古閑くん、土屋くんの気錬会メンバーが今日も来ている。
前日につづき、道衣が重たいほどに汗をかく。
そのままばたばたと東京駅まで駆け込み、行きと同じくウッキー相手におわりなき駄弁を弄しつつ、新幹線を居酒屋化して帰神。
ああ、疲れた。
でも楽しかった。
みなさんまた会いましょう。
(2002-06-17 00:00)