12月27日

2001-12-27 jeudi

今日も忙しい。
まず年賀状を作成して、宛名書き。それから郵便局と大学で用足しをして、昨日上野先生から持ち込まれたトラブルを片づけてから梅田まで行って大阪能楽会館で観能である。
ばたばたしていたら晶文社の安藤さんから督促の電話。

「原稿締切年末までというお話でしたが・・・」

年末って、あと四日しかないですね。
まだ一枚も書いていない。
漱石論の最終回。『こゝろ』と『三四郎』における「師弟関係」について論じるのである。
師弟関係論は『レヴィナスと愛の現象学』に書いたあとなので、言いたいことはだいたい決まっているのであるが、「言いたいことがだいたい決まっている」状態というのは、ものを書くためには、かならずしも適切なモードではない。
自分が知っていることを書くのは本人にとっては仕事に立ち向かうときのあまり強い動機づけにならないからである。
言いたいことがのどもとまで出かかっているのだが、言葉にならないので、つんのめるように書く・・・というのが、ものを書くときにいちばん生産的なステイタスなのである。
とりあえず『こゝろ』を読み返す。
今夜宛名書きが全部終わったら、漱石論を書くことにしよう。

文春からは『いきなり始める構造主義』のOKが出たそうで、これも1月中旬くらいまでに脱稿しないといけない。
『映画の構造分析』も名古屋でしゃべったことが記憶にのこっているうちに書いてしまわないと、忘れてしまう。
『ミーツ』の江さんから、次号は「フリーター」論で説教をかましてくださいというご要望がきているが、これもきっと1月中旬が締め切りのはず。
そうこうしているうちに『困難な自由』の翻訳はいつ出来るんですかときついキックが中根さんから入りそうだし・・・

年始に東京にいるあいだもシグマリオンで原稿書き続けだな、これじゃ。
冬休みがあと一月欲しい。(昨日から始まったばかりだというのに)