11月28日

2001-11-28 mercredi

とりあえず半日がかりでシグマリオン II はねじ伏せた。
昨日の夜のうちにインターネットには繋がった。昨夕大学で繋がらなかったのは設定は正しかったのだが、岡田山の上にはPHSの電波が届かなかったせいである。
場所を替えて公衆電話の近くで再試行してみたら、ちゃんと繋がって、自分のホームページが読めた。
ハードル一つクリアである。

しかし、メールが難物であった。
私はシグマリオンというのはドコモが扱っている商品なんだし、データカード型 PHS を差し込んで送受信するんだから、てっきりメール設定なんか自動的にしてあるものと思っていた。
ところが、してないのね。これが。
まずメール使用の申し込みをドコモにするところから始めなければいけない。
電話をしたら出てきたサービスのお姉ちゃんがシグマリオン II のことを全く知らない人だった。(先月新発売なんだから仕方がないかもしれないけど)
「とりあえずダイヤラーをダウンロードしてください」ととんちんかんな指示を出される。
言われるままにダウンロードしてみたが、出てくる画面が先方の指示するものとまるで違う。まったく意味不明の指示と、「そんなのこっちには出てないです」というやりとりで1時間費やしたあと、お互いに無言になって電話を切る。
販売店に電話をすると新型シグマリオンはダイヤラーがプレインストールされているからダウンロードなんか必要なくて、「メールやります」と電話一本で済みますと教えてくれる。
さっそく電話をしなおして「メールやります」と言うと、「30分後から使えます」という。
なんだ簡単じゃん。
しかしマニュアル通りに設定してみたが、繋がらない。
サービスに三度目の電話。
「それは電波が微弱なせいです。電波の強いところに移動して再試行してみてください」と言われる。
御影の山をおりて、ふもとで再試行。
しかし繋がらない。
サービスに四度目の電話。
電話の指示に従ってはじめから通信の設定をし直す。マニュアルに書いてない設定指示をされる。

「そんなことマニュアルには書いてないですけど」
「・・・そうですね」

書いとけよ。
とりあえず一つだけ先の段階に進むが、「暗証番号を入力せよ」という指示でまた停滞。
「暗証番号? そんなもの設定したかな?」
覚えがない。
サービスに五度目の電話。

「私の暗証番号って?何?」
「それはお教えできません」

そうだろうね。
とりあえず自分が四桁の暗証番号にしそうな数字を片端から打ち込むがすべて拒否される。
販売店に三度目の電話。

「契約のときに四桁の暗証番号って登録しましたっけ?」
「暗証番号ですか? してませんよ。だって、PHSの暗証番号はぜんぶ1111ですから・・・・」
「・・・・・」

そういうことはブツを渡すときに教えてくれよ。
サービスに電話すること5回、販売店に3回、トータル半日を電話で潰して、ようやく私のシグマリオン II は最初のメール(新幹線の中で書いた11月23日の日記)を自宅のPC宛てに送信することができた。
「寸暇」を貯め込むためのデバイスを起動させるために膨大な「寸暇」を投じてしまったわけである。

どうしてパソコンの通信設定はこんなにややこしいんだろう。
私はただ携帯だと指一本でメールを打つのがめんどくさいから両手で打ちたいということと、携帯だと画面が小さいのでもう少し大きい画面でウェブ・サイトを読みたいというだけのことしか望んでいない。
要するに「画面とキーボードの大きい携帯電話」が欲しいというだけのことなのである。
携帯は買って30分後に使えるようになったのに、モバイル・パソコンは使えるまでに半日かかった。添付書類が総計27点。マニュアルの厚さは6センチもある。(測ってみた)
これを全部読んであとは自分で何とかして下さいといって売りつける側はいくら何でも「ユーザー・フレンドリー」度が低いのではないかね。

しかし、とにかく「石の上にも半日」の苦労の甲斐あって、私は宿願のモバイル・ギヤを手に入れた。
いたずらに空費された半日分の「寸暇」を回収すべく、私はこれを酷使する予定である。