7月24日

2001-07-24 mardi

7月24日というのは、何か大事な日であるような気がしていたが、それは単に1時半から委員会があるというようなことではなく、うちの娘の誕生日なのだった。
るんちゃんも 19 歳である。
ハッピーバースデイ。
娘の誕生日を私がいっしょに過ごさないというのは、これがはじめてのことである。
「お洋服代カンパして頂きたいなーと思っております。おねがいー」という手紙が来たので、月々のお小遣いに添えてお洋服代をお送りする。その額を聞くと、勤労学生諸君の中には怒りで眼圧が上がる人がいるかも知れないので、教えない。

私の子育ての方針はたいへんに分かりやすい。
「金は出すが、口は出さない」というのがそれである。
学校のテストなども、すべて金で解決。
つまり 100 点一科目で 2000 円、90 点で 1000 円、80 点で 500 円・・・というふうに価格表があって、9科目満点であると 18000 円の臨時小遣いが入るということになっている。
塾や家庭教師に払うくらいなら、その分自分で勉強してもらって、できのよいテストに賞金をつける方が経済的である。(家の中でお金が環流するだけなんだから。)
というわけで、当然のごとく、娘は父親から金を出させるためには、「お金要るので、チョーダイ」と言えばすむので、たいへん正直な娘に育った。
正直な人間に育つ方が、口実やら言い訳やらのうまい人間に育つよりずっとよいことであると私は思う。
ただし、この甘い父親も賞味期限があって、あと3年8ヶ月後には、私は別人のような「冷酷無比」な父親になる予定である。

「何、金がない? たくあんのしっぽでも囓ってな」

とはいえ、娘の涙顔を前にして、私にこんな台詞が果たして言えるだろうか。
いまから学生をいじめて非情になる練習をしておく必要がありそうだ。

「何? 単位が足りなくて卒業できない? それで俺が何か迷惑するってか?」

こういう台詞をすらっと言える悪魔のような教師になりたい。